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J.2. ツールセット

文書を処理する過程で次のようなツールが使われます。 そのうちのいくつかは付記されているように省略しても構いません。

DocBook DTD

DocBookそのものの定義です。 現在はバージョン4.2を使用しており、これより古いまたは新しいバージョンは使用できません。 DocBook DTDのSGMLとXML版が必要です。 これらはたいてい別々のパッケージにあります。

ISO 8879 character entities

DocBook SGMLに必要なものですが、ISOで保守されているため別に配布されています。

DocBook XSL Stylesheets

DocBookのソースをHTMLのような他のフォーマットに変換する処理手順が含まれています。

現在最低必要なバージョンは1.77.0ですが、最良の結果を得るために入手可能な最新の版を使うことをお勧めします。

OpenSP

SGMLを処理する基本パッケージです。 DSSSLプロセッサのOpenJadeは最早必要ではなく、SGMLからXMLに変換するためにOpenSPパッケージだけが必要であることに注意してください。

xmllintのためのLibxml2

このライブラリとそこに含まれるxmllintツールはXMLを処理するのに使われます。 PostgreSQLのコードを構築する時にも使われますので、多くの開発者はすでにLibxml2をインストールしているでしょう。 しかしながら、xmllintは別のサブパッケージからインストールする必要があるかもしれないことに注意してください。

xsltprocのためのLibxslt

xsltprocはXSLTプロセッサ、すなわち、XSLTスタイルシートを使ってXMLを他のフォーマットに変換するプログラムです。

FOP

これは変換、とりわけXMLからPDFへの変換のためのプログラムです。

文書を作成するために必要な様々なツールのインストール方法についての経験をまとめました。 以下に記載します。 これらのツールは別にパッケージ化されて配布されていることも考えられます。 もしそのような配布物を見つけた場合はdocのメーリングリストに報告してください。 そのような情報をここに付け加えたいと思います。

必要なファイルはインターネットからダウンロードされ、ローカルにキャッシュされるので、DocBook XMLとDocBook XSLTスタイルシートをローカルにインストールせずに済ませることもできます。 オペレーティングシステムのパッケージで特にスタイルシートの古いバージョンしか提供されていない場合や、パッケージが全く利用できない場合には、実際、これが好ましい解決法でしょう。 詳細はxmllintxsltproc--nonetオプションを参照してください。

J.2.1. Fedora、RHEL、およびその派生版でのインストール

要求されるパッケージをインストールするには以下のようにしてください。

yum install docbook-dtds docbook-style-xsl fop libxslt opensp

J.2.2. FreeBSDでのインストール

FreeBSDのドキュメントプロジェクトそのものがDocBookのヘビーユーザですから、FreeBSD上で使用できる文書作成用ツールのports一式が揃っていることは驚くに当たりません。 FreeBSD上で文書を構築するには以下のportsが必要です。

  • textproc/docbook-sgml

  • textproc/docbook-xml

  • textproc/docbook-xsl

  • textproc/dsssl-docbook-modular

  • textproc/libxslt

  • textproc/fop

  • textproc/opensp

pkgで必要なパッケージをインストールするには以下を使います。

pkg install docbook-sgml docbook-xml docbook-xsl fop libxslt opensp

提供されているMakefileはFreeBSDのmake用ではありませんので、docディレクトリから文書を作成するにはgmakeを使うことが必要でしょう。

FreeBSDでの文書作成ツールについてのさらに詳しい情報はFreeBSD Documentation Project's instructionsにあります。

J.2.3. Debianパッケージ

Debian GNU/Linux用の文書作成パッケージの一式が揃っています。 インストールには以下を使います。

apt-get install docbook docbook-xml docbook-xsl fop libxml2-utils opensp xsltproc

J.2.4. macOS

MacPortsを使っているのであれば、以下のようにすれば設定されます。

sudo port install docbook-sgml-4.2 docbook-xml-4.2 docbook-xsl fop libxslt opensp

J.2.5. ソースから手作業でインストール

DocBookツールを手作業でインストールするのは何かと複雑ですから、もし既にできているパッケージがあるならばそちらを使った方が良いでしょう。 ここでは、標準的なインストール手順として、一般的な機能以外を持たせない標準的な設定のみを説明します。 詳しいことはそれぞれのパッケージの文書とSGMLの入門資料を読んでください。

J.2.5.1. OpenSPのインストール

OpenSPのインストールは、GNU形式の./configure; make; make installという構築手順で行います。 詳しいことはOpenSPソース配布物の中にあります。 要約すると次のようになります。

./configure --enable-default-catalog=/usr/local/etc/sgml/catalog
make
make install

デフォルトカタログをどこに置いたか覚えておいてください。 後で必要になります。 そのままにしておいても構いませんが、後でOpenSPのプログラムを使用する時にはSGML_CATALOG_FILES環境変数を設定してファイルの場所を指定する必要があります。 (既にOpenSPがインストールされていて残りのツール一式を別の場所にインストールしたい場合にはこの方法を使用する手があります。)

J.2.5.2. DocBook DTDキットのインストール

  1. DocBook V4.2を入手します。

  2. /usr/local/share/sgml/docbook-4.2ディレクトリを作成してそこに移動します。 (正確にこの場所でなくても構いませんが、ここで説明して行く流れの中では筋が通っているものです。)

    $ mkdir /usr/local/share/sgml/docbook-4.2
    $ cd /usr/local/share/sgml/docbook-4.2

  3. アーカイブを伸長します。

    $ unzip -a ...../docbook-4.2.zip

    (アーカイブは現在のディレクトリに伸長されます。)

  4. /usr/local/share/sgml/catalogファイル(もしくはインストール時にjadeに指定したファイルに)に以下の1行を付け加える編集を行います。

    CATALOG "docbook-4.2/docbook.cat"

  5. ISO 8879 character entities archiveをダウンロードし、伸長してできたファイルをDocBookのファイルと同じディレクトリに置きます。

    $ cd /usr/local/share/sgml/docbook-4.2
    $ unzip ...../ISOEnts.zip

  6. DocBookとISOファイルを置いたディレクトリで以下のコマンドを実行します。

    perl -pi -e 's/iso-(.*).gml/ISO\1/g' docbook.cat

    (この操作によって、DocBookカタログファイルで使われる名称と実際のISO文字エンティティファイル間での重複が整理されます。)

J.2.6. configureによる検出

PostgreSQL本体のプログラムを構築した時のように、文書を構築する際にconfigureスクリプトを実行する必要があります。 実行が終わる近辺の次のような出力を確認してください。

checking for onsgmls... onsgmls
checking for DocBook V4.2... yes
checking for dbtoepub... dbtoepub
checking for xmllint... xmllint
checking for xsltproc... xsltproc
checking for osx... osx
checking for fop... fop

もしonsgmlsあるいはnsgmlsが見つからなかった場合には以降の試験の一部は飛ばされます。 nsgmlsはOpenSPパッケージの一部です。 自動検出できなかった場合、環境変数NSGMLSを渡すことで、これらのプログラムの場所を指定することができます。 DocBook V4.2が見つからない場合はDocBook DTDキットをOpenSPが見つけられる場所に置かなかったか、もしくはカタログファイルが正しく設定されていません。 前述のインストレーションのヒントを参照してください。