oid2name — OIDとPostgreSQLデータディレクトリ内のファイルノードを解決する
oid2name
[option
...]
oid2nameは、管理者がPostgreSQLで使用されるファイル構造を確認することを補助するユーティリティプログラムです。 使用できるようになるためには、第66章で説明されるデータベースファイル構造についての知識が必要です。
「oid2name」という名前は歴史的なものであり、これを使用する場合のほとんどでは、本当はテーブルのファイルノード番号(これはデータベースディレクトリ内で可視なファイル名)が関係しますので、実際誤解されやすいものです。 テーブルのOIDとテーブルファイルノードの違いを確実に理解してください。
oid2nameは対象データベースに接続し、OID、ファイルノード、テーブル名情報を抽出します。 また、データベースOIDまたはテーブル空間OIDを示すようにさせることもできます。
oid2nameは以下のコマンドライン引数を受け付けます。
-f
filenode
filenode
というファイルノードを持つテーブルの情報を表示します。
-i
一覧にインデックスおよびシーケンスを含めます。
-o
oid
oid
というOIDを持つテーブルの情報を表示します。
-q
ヘッダを省略します。(スクリプト処理に適しています)
-s
テーブル空間OIDを表示します。
-S
システムオブジェクト(information_schema
、pg_toast
、pg_catalog
スキーマ内に存在するもの)を含めます。
-t
tablename_pattern
tablename_pattern
に一致するテーブル(複数可)の情報を表示します。
-V
--version
oid2nameのバージョンを表示し、終了します。
-x
表示対象の各オブジェクトに関してさらに情報を表示します。テーブル空間名、スキーマ名、OID。
-?
--help
oid2nameのコマンドライン引数の説明を表示し、終了します。
またoid2nameは以下の接続用のパラメータに関するコマンドライン引数を受け付けます。
-d
database
接続データベース
-H
host
データベースサーバのホスト
-p
port
データベースサーバのポート
-U
username
接続ユーザ名
-P
password
パスワード(廃止予定。コマンドラインに記述することはセキュリティ的に危険です。)
特定のテーブルを表示するために、-o
、-f
、-t
を使用して表示するテーブルを選択してください。
-o
はOIDを、-f
はファイルノードを、-t
はテーブル名(実際はLIKE
パターンです。ですのでfoo%
などが使用できます)を引数として取ります。
これらのオプションを必要なだけ使用することができます。
一覧には、オプションのいずれかで一致したオブジェクトがすべて含まれます。
しかしこれらのオプションでは、-d
で指定したデータベース内に存在するオブジェクトしか表示しないことに注意してください。
-o
、-f
、-t
のいずれも指定せずに-d
を指定した場合、-d
で指定したデータベース上のすべてのテーブルを列挙します。
このモードでは、-S
および-i
スイッチが何を列挙するかを制御します。
-d
も指定しなかった場合、データベースOIDの一覧を示します。
他にも-s
を指定してテーブル空間の一覧を得ることもできます。
oid2nameは破損のないシステムカタログで実行中のデータベースサーバが必要です。 したがって、破滅的にデータベースが破損したような状況からの復旧には限定的にしか役に立ちません。
$ # とにかく、このデータベースサーバの中には何があるのだろう $ oid2name All databases: Oid Database Name Tablespace ---------------------------------- 17228 alvherre pg_default 17255 regression pg_default 17227 template0 pg_default 1 template1 pg_default $ oid2name -s All tablespaces: Oid Tablespace Name ------------------------- 1663 pg_default 1664 pg_global 155151 fastdisk 155152 bigdisk $ # さて、データベースalvherreの中を見てみよう $ cd $PGDATA/base/17228 $ # デフォルトテーブル空間のデータベースオブジェクトを大きさの順に上位10個取得 $ ls -lS * | head -10 -rw------- 1 alvherre alvherre 136536064 sep 14 09:51 155173 -rw------- 1 alvherre alvherre 17965056 sep 14 09:51 1155291 -rw------- 1 alvherre alvherre 1204224 sep 14 09:51 16717 -rw------- 1 alvherre alvherre 581632 sep 6 17:51 1255 -rw------- 1 alvherre alvherre 237568 sep 14 09:50 16674 -rw------- 1 alvherre alvherre 212992 sep 14 09:51 1249 -rw------- 1 alvherre alvherre 204800 sep 14 09:51 16684 -rw------- 1 alvherre alvherre 196608 sep 14 09:50 16700 -rw------- 1 alvherre alvherre 163840 sep 14 09:50 16699 -rw------- 1 alvherre alvherre 122880 sep 6 17:51 16751 $ # ファイル155173は何だろう $ oid2name -d alvherre -f 155173 From database "alvherre": Filenode Table Name ---------------------- 155173 accounts $ # 2つ以上のオブジェクトについて問い合わせることもできる $ oid2name -d alvherre -f 155173 -f 1155291 From database "alvherre": Filenode Table Name ------------------------- 155173 accounts 1155291 accounts_pkey $ # オプションを複数指定することもできて、-xではより詳細を得ることができる $ oid2name -d alvherre -t accounts -f 1155291 -x From database "alvherre": Filenode Table Name Oid Schema Tablespace ------------------------------------------------------ 155173 accounts 155173 public pg_default 1155291 accounts_pkey 1155291 public pg_default $ # 各データベースオブジェクトのディスク容量を表示 $ du [0-9]* | > while read SIZE FILENODE > do > echo "$SIZE `oid2name -q -d alvherre -i -f $FILENODE`" > done 16 1155287 branches_pkey 16 1155289 tellers_pkey 17561 1155291 accounts_pkey ... $ # 同上、ただし大きさの順 $ du [0-9]* | sort -rn | while read SIZE FN > do > echo "$SIZE `oid2name -q -d alvherre -f $FN`" > done 133466 155173 accounts 17561 1155291 accounts_pkey 1177 16717 pg_proc_proname_args_nsp_index ... $ # テーブル空間に何があるのか見たければ、pg_tblspcディレクトリを使う $ cd $PGDATA/pg_tblspc $ oid2name -s All tablespaces: Oid Tablespace Name ------------------------- 1663 pg_default 1664 pg_global 155151 fastdisk 155152 bigdisk $ # テーブル空間"fastdisk"にはどのデータベースのオブジェクトがあるのだろうか $ ls -d 155151/* 155151/17228/ 155151/PG_VERSION $ # おや、データベース17228がまた出てきた $ oid2name All databases: Oid Database Name Tablespace ---------------------------------- 17228 alvherre pg_default 17255 regression pg_default 17227 template0 pg_default 1 template1 pg_default $ # このデータベースがどのオブジェクトをこのテーブル空間に持っているのか見てみよう $ cd 155151/17228 $ ls -l total 0 -rw------- 1 postgres postgres 0 sep 13 23:20 155156 $ # 分かった、これはかなり小さなテーブルだ、、、でも何のテーブルだろう $ oid2name -d alvherre -f 155156 From database "alvherre": Filenode Table Name ---------------------- 155156 foo
B. Palmer <bpalmer@crimelabs.net>