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E.212. リリース8.2.10

リリース日: 2008-09-22

このリリースは8.2.9に対し、各種の不具合を修正したものです。 8.2メジャーリリースにおける新機能についてはE.222を参照してください。

E.212.1. バージョン8.2.10への移行

8.2.Xからの移行ではダンプ/リストアは不要です。 しかしながら、8.2.7より前のバージョンからアップグレードする場合は、E.215を参照してください。

E.212.2. 変更点

  • B-tree WALリカバリコード内の不具合を修正しました。(Heikki)

    ページ分割操作中にWALが途中で止まった場合にリカバリが失敗しました。

  • datfrozenxidの誤計算の可能性を修正しました。(Alvaro)

    このエラーにより古いpg_clogデータの削除に失敗するというここ最近の報告が説明できます。

  • 局所ロックのカウンタを32ビットから64ビットに広げました。(Tom)

    これは、かなり長いトランザクションでカウンタがオーバーフローし、想定外のすでに保持済のロックであるというエラーになるという報告に対応したものです。

  • GiSTインデックススキャン中に出力タプルが重複する可能性を修正しました。(Teodor)

  • ビューが単純なUNION ALL式を含む場合、行われなかった権限検査を修正しました。(Heikki)

    被参照テーブルの権限は正しく検査されていましたが、ビュー自体の権限はそうでありませんでした。

  • INSERTまたはUPDATEで生成されるタプルが対象のテーブルの現在の行型に一致するか確認するために、エグゼキュータ起動の際の検査を追加しました。(Tom)

    ALTER COLUMN TYPEの後にこれまでキャッシュしていた計画を再利用した場合、こうした状況が起こります。 データ破壊やその結果発生するクラッシュをこの検査により防ぎます。

  • DROP OWNED中の削除が繰り返される可能性を修正しました。(Tom)

    これによりよくリレーションNNNのキャッシュ検索に失敗したなどのおかしなエラーが発生しました。

  • まず時間帯引数を時間帯省略形として解釈し、これまでのように他の方法を取らずに、それが失敗した場合にのみ完全な時間帯名称として解釈するようにAT TIME ZONEを修正しました。(Tom)

    タイムスタンプ入力関数は常にこの順序であいまいな時間帯名の解決を行っていました。 AT TIME ZONEも同様にすることで一貫性が向上し、そして、8.1で混入された互換性に関する不具合を修正します。 過去のバージョンのAT TIME ZONEでは省略形のみを受け付けていましたので、あいまいな場合に8.0以前と同様な動作をするようになりました。

  • 64ビットプラットフォームで稼働している場合、日付時刻入力関数が正しく整数オーバーフローを検知できるよう修正しました。(Tom)

  • 単位指定がある設定パラメータを表示する際に、単位変換による整数オーバーフローを防ぎます。(Tom)

  • 非常に長いログメッセージをsyslogに書き出す際の性能を向上しました。(Tom)

  • pg_hba.conf内のLDAP URLの接尾辞部分に空白文字を許します。(Tom)

  • SELECT DISTINCT ON問い合わせに対するカーソルの後方スキャンにおける不具合を修正しました。(Tom)

  • 入れ子状の副問い合わせ式がある場合のプランナの不具合を修正しました。(Tom)

    外側の副問い合わせが親問い合わせに直接の依存性がなく、内側の副問い合わせが依存性がある場合、外側の値が新しい親問い合わせの行に対して再計算されなくなる可能性がありました。

  • プランナが論理型の結果を生成するGROUP BY式を、式の内容に関係なく、常に2つのグループになると推定することを修正しました。(Tom)

    これにより、col IS NULLなどの特定の論理試験に対して、通常のGROUP BY推定より非常により良く精度が上がります。

  • FORループの対象値が複合型のフィールドを含むレコードである場合に失敗しないようにPL/pgSQLを修正しました。(Tom)

  • Tcl 8.5で正しく動作するようPL/Tclを修正しました。 また、Tcl間でやりとりされるデータの符号化方式についてより注意を払うように修正しました。(Tom)

  • Windowsにおいて、libpqがシステムコール当たり64kBを超えて送信しないようにすることで、Microsoftの不具合を回避しました。(Magnus)

  • pg_dumpおよびpg_restoreがSQLコマンドの送信に失敗した後に報告するエラーを改良しました。(Tom)

  • pg_ctlrestartの間正しくpostmasterのコマンドライン引数を保持するように修正しました。(Bruce)

  • 時間帯データファイルをtzdataリリース2008f(アルゼンチン、バハマ、ブラジル、モーリシャス、モロッコ、パキスタン、パレスチナ、パラグアイにおける夏時間規則の変更)まで更新しました。