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E.78. リリース9.2.24

リリース日: 2017-11-09

このリリースは9.2.23に対し、各種不具合を修正したものです。 9.2メジャーリリースにおける新機能については、E.102を参照してください。

本リリースはPostgreSQLの9.2.Xシリーズの最後のリリースとなる予定です。 早めに新しいリリースのブランチに更新することを推奨します。

E.78.1. バージョン9.2.24への移行

9.2.Xからの移行ではダンプ/リストアは不要です。

しかしながら、9.2.22よりも前のリリースからアップグレードする場合は、E.80を参照して下さい。

E.78.2. 変更点

  • $PGLOGを開く前に$PGUSERになるようにサンプルのサーバ起動スクリプトを修正しました。 (Noah Misch)

    これまではpostmasterのログファイルはまだrootとして実行されている間にオープンされました。 それゆえデータベース所有者は他のシステムユーザに$PGLOGを他のファイルに対するシンボリックリンクにすることで攻撃を準備することができました。 そのファイルはログメッセージが追加されることで破損するでしょう。

    デフォルトでは、これらのスクリプトはどこにもインストールされません。 利用しているユーザが手動でこれらを再コピーするか、修正されたバージョンに同じ変更を適用する必要があります。 もし、存在している$PGLOGファイルがroot所有であるなら、直されたスクリプトでサーバを再起動する前に、それを削除するかファイル名変更をしてどけておく必要があります。 (CVE-2017-12172)

  • 浮動小数点数の無限の値をnumeric型に変換しようとする試みを適切に拒絶します。 (Tom Lane, KaiGai Kohei)

    これまで、振舞いはプラットフォーム依存でした。

  • 列をビューの末尾に追加したときに稀な場合でのクラッシュを修正しました。 (Tom Lane)

  • ビューやルールがFieldSelect式またはFieldStore式のノードを含むとき、適切な依存関係を記録するようにしました。 FieldStore (Tom Lane)

    これらの依存関係が欠けていると、エラーにすべきときでも列やデータ型をDROPできました。その結果、そのビューやルールの後の使用でエラーをひき起こしました。 本修正は既存のビュー/ルールを保護するためには何もしません。将来作成されるものを保護するだけです。

  • 範囲データ型がハッシュ可能であるかを正しく検出するようにしました。 (Tom Lane)

    ハッシュ結合やハッシュ集約を使うにあたりプランナは誤っていかなる範囲型もハッシュ可能であると想定していましたが、実際には範囲の中の型がハッシュに対応しているかの検査が必要です。 組み込みの範囲型は、どれもハッシュ可能であるのでいずれにせよ影響ありません。

  • XID周回により低確率で起きるNOTIFYメッセージの取りこぼしを修正しました。 (Marko Tiikkaja, Tom Lane)

    あるセッションが20億トランザクション以上にわたって一つも問い合わせを実行せず、通知の監視だけ行った場合、同時にコミットするトランザクションからのいくらかの通知を取りこぼし始めました。

  • 入れ子のトリガ駆動を処理する時に、低い確率で起きるクラッシュを防止します。 (Tom Lane)

  • ファイル作成がCOPYまたはlo_export()で失敗した場合に、umaskの設定を正しく元に戻します。 (Peter Eisentraut)

  • ANALYZEで重複する列名に対してより良いエラーメッセージを出します。 (Nathan Bossart)

  • libpqをユーザのホームディレクトリが存在している必要が無いように修正しました。 (Tom Lane)

    v10では~/.pgpassを読むときにホームディレクトリを見つけられないと強いエラーとして扱われましたが、ファイルが見つからない原因となるだけであるべきです。 サービス名が指定されてない限り探されないのでそれほど目につきませんが、v10以前のリリース系列では~/.pg_service.confを読むときに同じ誤りを犯していました。

  • libpqPGresultの行数の整数オーバーフローから守るよう修正しました。 (Michael Paquier)

  • 私たちのタイムゾーンライブラリのコピーをIANA release tzcode2017cに同期しました。 (Tom Lane)

    多数の問題が修正されています。ユーザに見えるであろう唯一のものは、POSIX形式のゾーン名に対するデフォルトの夏時間の規則は、posixrulesファイルがタイムゾーンデータディレクトリに存在しない場合、十数年前のものではなく現在の米国の法律に一致することです。

  • タイムゾーンデータファイルをtzdata release 2017cに更新しました。 フィジー、ナミビア、北キプロス、スーダン、トンガ、タークス・カイコス諸島の夏時間法の変更に加え、アラスカ、アピア、ビルマ、カルカッタ、デトロイト、アイルランド、ナミビア、パゴパゴの歴史的修正が含まれます。