DDLコマンドの中には、現在はTRUNCATEとテーブルを書き換える形のALTER TABLEだけですが、MVCCセーフでないものがあります。
これは、DDLコマンドをコミットする前に取得したスナップショットを使っていると、切り詰めまたは書き換えのコミット後に、同時実行トランザクションに対してテーブルが空に見えることを意味しています。
該当するテーブルにDDLコマンドが開始する前にアクセスしなかったトランザクションにとってのみ、これは問題となるでしょう—開始前にアクセスしたトランザクションは少なくともACCESS SHARE
テーブルロックを保持しており、そのトランザクションが完了するまでDDLコマンドはブロックされるでしょう。
ですので、対象のテーブルに対する連続した問い合わせで、このコマンドはテーブルの内容の見かけ上の不整合の原因とはなりません。しかし、対象のテーブルとデータベース内の他のテーブルの内容の間の可視の不整合の原因となるかもしれません。
シリアライザブルトランザクション分離レベルのサポートは、まだホットスタンバイレプリケーションは対象に加えられていません(26.5で述べます)。 ホットスタンバイモードで現在サポートされた最も厳しい分離レベルはリピータブルリードです。 マスタ上でシリアライザブルトランザクション中にデータベースに永続的な書き込みを行なえば、スタンバイはすべて最終的に一貫した状態に達するだろうということは保証されるでしょうが、スタンバイ上で実行されたリピータブルリードトランザクションは、時々マスタのトランザクションの任意の連続する実行と一致しない過渡状態を見ることがあるでしょう。
システムカタログへの内部のアクセスは現在のトランザクションの分離レベルを使っては行われません。 これは、テーブルのような新しく作られたデータベースオブジェクトが、たとえシステムカタログが含む行が可視でないとしても、並行するリピータブルリードトランザクションやシリアライザブルトランザクションに対して可視であることを意味します。 対照的に、明示的にシステムカタログを確認する問い合わせは、より高い分離レベルで並行して作られているデータベースオブジェクトを表す行を見ることはできません。