全ての設定が終了したら、doc/src/sgmlディレクトリに移動して以下のコマンドの1つを実行してください (GNU makeを使うのを忘れずに)。
HTML形式のドキュメントを作成するには次のようにします。
doc/src/sgml$ gmake html
これはデフォルトでの対象物です。
適切なインデックスを作成するために、構築時何回か同一の処理を行う可能性があります。 インデックスを考えず、出力の検証を行いたいだけであれば、以下のようにdraftを使用してください。
doc/src/sgml$ gmake draft
最終の配布物の取り扱いを簡単にするため、HTMLドキュメントを構成するファイルをインストールの時に解凍されるようにtarでアーカイブすることができます。 HTML形式のドキュメント一式を作成するには、以下のコマンドを使用します。
cd doc/src gmake postgres.tar.gz
これらのアーカイブは配布物のdocディレクトリにあり、何もしなくてもgmake installでインストールされます。
DocBook refentry
ページをマニュアルページに対応した*roff形式に変換するには、DocBook2Xプロジェクトからdocbook2man-sgmlsplユーティリティを使用します。
manページもHTML形式と同じようにtarアーカイブで配布されています。
マニュアルページを作成するには次のようにします。
cd doc/src/sgml gmake man D2MDIR=directory
docbook2man-sgmlsplパッケージのdocbook2man-spec.plファイルが存在するディレクトリの名前を指定するためにD2MDIR変数を使用してください。 このデフォルト値はありません。 このパッケージは多くのパッケージングシステムで利用できない、または、過去のものとなっていますので、ソースコードのtarボールをダウンロードして伸長することになるかもしれません。 構築作業は不要です。 この場合のパスはD2MDIR=/home/you/somewhere/docbook2man-sgmlspl-1.0/perlのようになります。 以下のような警告が発生する可能性があります。 これは、最新版のdocbook2man-spec.plを使用し、かつ、これら以外に他のSDATAに関する警告がなければ(ない場合のみ)無視することができます。
Warning: unrecognized SDATA '[scaron]': please add definition to docbook2man-spec.pl Warning: unrecognized SDATA '[ouml ]': please add definition to docbook2man-spec.pl
リリース用にマニュアルページパッケージを作成するには以下のコマンドを使います。結果としてdoc/srcディレクトリにtarファイルが生成されます。
cd doc/src gmake man.tar.gz D2MDIR=directory
JadeTexを使って印刷可能なドキュメントを作成したい時は、以下のコマンドの中から1つを選んでください。
A4サイズのDVI形式を作るには次のようにします。
doc/src/sgml$ gmake postgres-A4.ps
U.S.レターサイズの場合は次のようにします。
doc/src/sgml$ gmake postgres-US.ps
PDFを作るには
doc/src/sgml$ gmake postgres-A4.pdf
または、
doc/src/sgml$ gmake postgres-US.pdf
のようにします。 (もちろんPostscriptからもPDFバージョンを作成できますが、PDFを直接生成すれば、ハイパーリンクを含めた拡張機能を持たせるようにできます。)
PostgreSQL文書の構築にJadeTeXを使用する場合、おそらくいくつかのTeXの内部用パラメータを増加させなければなりません。 これらはtexmf.cnfファイルで設定可能です。 本書執筆時点では、以下の設定で動作します。
hash_extra.jadetex = 200000 hash_extra.pdfjadetex = 200000 pool_size.jadetex = 2000000 pool_size.pdfjadetex = 2000000 string_vacancies.jadetex = 150000 string_vacancies.pdfjadetex = 150000 max_strings.jadetex = 300000 max_strings.pdfjadetex = 300000 save_size.jadetex = 15000 save_size.pdfjadetex = 15000
PostgreSQLドキュメントの印刷できるバージョンをRTFに変換した後、ちょっとした修正をOffice Suiteで施すことで作成できます。 特定のOffice Suiteによる機能で、ドキュメントを引き続きPDFのPostScriptに変換できます。 以下にApplixwareを使ってこの手順を示します。
注意: 現バージョンのPostgreSQLドキュメントは、OpenJadeの大きさの限界とそれを超えた部分でのバグを引き起こすようです。 もしRTFバージョンがビルド過程で長時間にわたってハングアップし、かつ出力ファイルのサイズが0のままであるような場合は、この問題に遭遇したことになります (とは言っても、通常のビルドには5分から10分を要しますので、あせって中断しないように注意してください)。
Applixware RTFの手入れ
OpenJadeは本文に対してデフォルトのスタイルシートの特定を省略します。 過去においてはこの原因不明の問題によって、表内容を生成するまで長い過程を必要としました。 しかし、Applixwareに関わっている仲間の助力でこの症状が判明し、しっくり行くようになりました。
RTFバージョンを生成するためには次のように入力します。
doc/src/sgml$ gmake postgres.rtf
全てのスタイル(特にデフォルトスタイル)を正しく指定するようにRTFファイルを修正します。
ドキュメントにrefentry
節がある場合、前の段落を現在の段落に連結されるフォーマット指示を、現在の段落が次の段落に連結するように置き換えなければなりません。
これらの修正を行ってくれるfixrtfユーティリティはdoc/src/sgmlにあります。
doc/src/sgml$ ./fixrtf --refentry postgres.rtf
このスクリプトはそのドキュメントの中でのゼロ番目のスタイルとして{\s0 Normal;}を付け加えます。
ApplixwareによるとRTF規格は明示的なゼロ番目のスタイルを追加することを禁じていますが、Microsoft Wordはたまたま扱えるようになっています。
refentry
節を修正するためにスクリプトが\keepnタグを\keepに置き換えます。
Applixware Wordsで新規ドキュメントを開き、RTFファイルをインポートします。
Applixwareで新規ToCを生成します。
そこにあるToCの行の1行目の始めの文字から最終行の最後の文字までを選択します。
Tools->Book Building->Create Table of Contentsで新規ToCをビルドします。 ToCに含めるためヘッダの上から3レベルまでを選択します。 こうするとRTFからインポートされた既存の行がApplixware本来のToCと入れ替わります。
Format->Styleを使ってToCのフォーマットを調整します。 3つのToCスタイルのそれぞれを選択し、FirstとLeftインデントを調整します。 下記の値を使用します。
ドキュメントに対し下記に従って作業します。
改ページの調整をします。
表の列幅の調整をします。
ToCのExamplesとFigures部分の右寄せのページ番号を正しい値に修正します。 ほんの数分しかかかりません。
索引に何もない場合は削除します。
目次の再生成と調整を行います。
ToCフィールドを選択します。
Tools->Book Building->Create Table of Contentsを選択します。
Tools->Field Editing->Unprotectを選択してToCを解放します。
ToCそのもののエントリであるToCの第1行目を削除します。
後での最終編集を容易にするためApplixware Words固有のフォーマットでドキュメントを保存します。
Postscriptフォーマットでドキュメントをファイルに"出力"します。
インストールする過程の参照用としていくつかの平文によるファイルが配布されています。 INSTALLファイルは第15章と連係していて、異なった内容を説明するためにちょっとした変更が加えられています。 このファイルを生成するには、doc/src/sgmlディレクトリに移動しgmake INSTALLと入力します。 この操作でNetscape Navigator用の平文INSTALL.htmlが作成され、既存ファイルと同じ場所に置かれます。 Netscapeは(lynxやw3mと比べて)HTMLを平文に変換するのに最も品質の良い結果をもたらすようです。
HISTORYファイルも同じようにしてgmake HISTORYコマンドで作成できます。 src/test/regress/READMEファイルの場合はgmake regress_READMEです。
ドキュメントのビルドにはとても時間がかかります。 でもドキュメントファイルの正しい構文だけを検証する方法があります。 以下のように入力します。 ほんの数秒しかかかりません。
doc/src/sgml$ gmake check