上で説明したpostgresql.confファイルに加え、PostgreSQLは、(第19章で使用法が説明されている)クライアント認証の管理を行うために、他の2つの手作業で編集される構成ファイルを使用します。 デフォルトで全ての3つの構成ファイルはデータベースクラスタのdataディレクトリに格納されます。 本節で説明するパラメータにより、構成ファイルを何処にでも置くことが可能です。 (そのようにすると管理がしやすくなります。 具体的には、構成ファイルを分けて保存することで、構成ファイルの適切なバックアップを確実に行うことが容易になります。)
データ格納に使用するディレクトリを指定します。このパラメータはサーバ起動時のみ設定可能です。
主サーバ構成ファイルを指定します(慣習的にpostgresql.confと呼ばれます)。 このパラメータはpostgresコマンドライン上でのみ設定可能です。
ホストベース認証(HBA)用のファイルを指定します(慣習的にpg_hba.confと呼ばれます)。 このパラメータはサーバ起動時のみ設定可能です。
ident認証用の構成ファイルを指定します(慣習的に pg_ident.confと呼ばれます)。このパラメータはサーバ起動時のみ設定可能です。
サーバ管理プログラムの使用のためにサーバが作成しなくてはならない、追加のプロセス識別子(PID)ファイルの名前を指定します。 このパラメータはサーバ起動時のみ設定可能です。
デフォルトのインストールでは、上記のいかなるパラメータも明示的に設定されません。 その代わり、data ディレクトリは-Dコマンドラインオプション、もしくはPGDATA環境変数で指定され、構成ファイル全てはその data ディレクトリ内に格納されます。
dataディレクトリ以外の場所に構成ファイルを格納したいのであれば、postgresの-Dコマンドラインオプション、もしくはPGDATA環境変数で構成ファイルの場所を指し示し、そしてdataディレクトリが実際どこに存在するのかを示すため、postgresql.confにて(もしくはコマンドライン上で)data_directoryパラメータを設定しなければなりません。 data_directoryは、構成ファイルの場所ではなく、data ディレクトリの位置に関して、-DおよびPGDATAを上書きすることに注意してください。
お望みであれば、パラメータconfig_file、hba_file、そして/もしくは ident_fileを使用し、構成ファイルの名前と場所を個別に指定することができます。 config_fileはpostgresコマンドラインによってのみ指定されますが、その他は主構成ファイル内で設定できます。 全ての3つのパラメータとdata_directoryが明示的に設定されていれば、-DおよびPGDATAを指定する必要はありません。
これらのパラメータのいずれかを設定する場合、相対パスは、postgresが起動されるディレクトリから見た相対パスとして解釈されます。