2016-02-11
このリリースは9.5.0に対し、各種不具合を修正したものです。 9.5メジャーリリースにおける新機能については、E.5. リリース9.5 を参照してください。
9.5.Xからの移行ではダンプ/リストアは不要です。
正規表現での無限ループやバッファオーバーランの問題を修正しました。 (Tom Lane)
(正規表現における)ブラケット式の非常に大きな文字範囲が一部ケースで無限ループを、また別ケースでメモリ上書きを引き起こすおそれがありました。 (CVE-2016-0773)
稀な状況でハッシュ結合で内側リレーションの一部タプルを結合しそこなう原因となる誤りを修正しました。 (Tomas Vondra, Tom Lane)
グループ化セットが使われているとき、HAVING
句のプッシュダウンを回避するようにしました。
(Andrew Gierth)
ON CONFLICT
調停のWHERE
句の逆パースを修正しました。
(Peter Geoghegan)
log_line_prefix
でのエスケープ%h
および%r
をlog_connections
によるメッセージ出力でも機能するようにしました。
(Tom Lane)
これまで、%h
と%r
は新セッションがログメッセージ「connection received」を出力した直後から働き始めていました。これからはそのメッセージにおいても機能します。
SSPI認証のときにトークンハンドルのリークを防ぐようになりました。 (Christian Ullrich)
psqlの\det
コマンドが、そのパターン引数を潜在的にスキーマ修飾パターンを伴う他の\d
コマンドが行うのと同様に解釈するように、修正しました。
(Reece Hart)
Windowsのpg_ctlで出力先をどこにするか決めるのに、標準出力先が端末であるかを確認するのではなく、サービス状態を確認するようになりました。 (Michael Paquier)
拡張の要素オブジェクトの処理に関するpg_dumpの様々な例外的な不具合を修正しました。 (Tom Lane)
pg_dumpでドメイン制約名の不適切な引用符付けを修正しました。 (Elvis Pranskevichus)
パラレルpg_restoreのとき起こりうる失敗を防ぐため、pg_dumpがビューのトリガにそのルールの後に処理される必要ありと印づけするようにしました。 (Tom Lane)
pgbenchでスクリプトに記述された除算または剰余の演算子の評価における例外的なオーバーフロー状態に対する防御策を導入しました。 (Fabien Coelho, Michael Paquier)
pg_receivexlogが9.4より前のサーバに接続するときの、役に立たない警告メッセージを抑止しました。 (Marco Nenciarini)
plpython2とplpython3を両方使うときのダンプ/リロード問題を回避しました。 (Tom Lane)
(二つのバージョンのlibpythonは安全に並行して使用できないので)同一セッションではだめですが、原則としてはPL/Pythonの両バージョンは同じデータベース内で利用可能です。 しかしながら、pg_restoreとpg_upgradeの両者は、同一セッションの制限に抵触する動作をします。 チェックのタイミングを変えることでこれを回避しました。
Python 3.5で通るようにPL/Pythonのリグレッションテストを修正しました。 (Peter Eisentraut)
ある種のPL/Javaパラメータがスーパーユーザ以外から設定されることを防止しました。 (Noah Misch)
この変更はPL/Javaのセキュリティ障害(CVE-2016-0766)を緩和します。 PL/Javaではそれらパラメータをスーパーユーザのみとすることで障害は修正されています。 PL/JavaよりもPostgreSQLをより頻繁にアップデートするサイトのセキュリティ危険性を防ぐするため、本体コードでもこれらパラメータを認識するようにしました。
プリプロセッサ命令行から次の行へと継続されるコメントが含まれないようにecpgで供給されるヘッダファイルを修正しました。 (Michael Meskes)
このようなコメントはecpgに受け付けられません。 ecpg自体が変更されるべきかまだ明らかではありません。
hstore_to_json_loose()
のhstore
値がJSON数値に変換されうるかの検査を修正しました。
(Tom Lane)
これまで本関数は英数字以外の終端文字にだまされる可能性があり、構文的に不正なJSONの出力を招いていました。
contrib/postgres_fdw
で、データを変更するコマンドでtableoid
を使うことで起きる障害を修正しました。
(Etsuro Fujita, Robert Haas)
NAMEDATALEN
が256より小さくなければならないという思慮に欠けた制限を修正しました。
リンカにファイル名が固定順で与えられることを確実にして、ビルド出力の再現性を改善しました。 (Christoph Berg)
これは、生成された実行ファイルにて、あるビルドとの次ビルドとの間でビットレベル差異がでる可能性を回避します。
MSVCビルドにてインストールされるヘッダファイル群にdynloader.h
が確実に含まれるようにしました。
(Bruce Momjian, Michael Paquier)
タイムゾーンデータファイルをtzdata release 2016aに更新しました。 ケイマン諸島、メトラカトラ、ザバイカリエ地方(Zabaykalsky Krai) の夏時間法の変更、パキスタンの歴史的な訂正が適用されています。