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12.7. 設定例

テキスト検索設定は、文書をtsvectorに変換する必要なすべてのオプションを指定します。すなわち、テキストをトークンに分解するパーサ、そしてトークンを語彙素に変換する辞書です。to_tsvectorまたはto_tsqueryを呼び出すたびに、処理を進めるためにテキスト検索設定が必要になります。設定パラメータのdefault_text_search_configは、デフォルトの設定を指定します。これは、明示的な設定が省略されたときにテキスト検索関数が使用します。postgresql.confに設定するか、個々のセッションでSETコマンドを使って設定できます。

既定のテキスト検索設定がいくつか利用できます。また、カスタム設定を作るのも容易です。テキスト検索オブジェクトを管理する機能を実現するために、SQLコマンドが一通り用意されています。テキスト検索オブジェクトに関する情報を表示するpsqlコマンドもいくつか用意されています(12.10)。

例として、組み込みのenglish設定のコピーを用いて、新しいpg設定を作ります。

CREATE TEXT SEARCH CONFIGURATION public.pg ( COPY = pg_catalog.english );

PostgreSQL固有の同義語リストを使い、それを$SHAREDIR/tsearch_data/pg_dict.synに格納します。ファイルの内容は以下のようになります。

postgres    pg
pgsql       pg
postgresql  pg

同義語辞書を次のように定義します。

CREATE TEXT SEARCH DICTIONARY pg_dict (
    TEMPLATE = synonym,
    SYNONYMS = pg_dict
);

次に、Ispell辞書のenglish_ispellを登録します。これにはそれ自身の設定があります。

CREATE TEXT SEARCH DICTIONARY english_ispell (
    TEMPLATE = ispell,
    DictFile = english,
    AffFile = english,
    StopWords = english
);

ここで、pg設定に単語用のマッピングを設定します。

ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION pg
    ALTER MAPPING FOR asciiword, asciihword, hword_asciipart,
                      word, hword, hword_part
    WITH pg_dict, english_ispell, english_stem;

組み込み設定が扱っているいくつかのトークンに関しては、インデックス付けと検索に扱わないことにします。

ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION pg
    DROP MAPPING FOR email, url, url_path, sfloat, float;

これでここまで作った設定を試すことができます。

SELECT * FROM ts_debug('public.pg', '
PostgreSQL, the highly scalable, SQL compliant, open source object-relational
database management system, is now undergoing beta testing of the next
version of our software.
');

次に、セッションの中で新しい設定を使うようにします。この設定は、publicスキーマの中に作られています。

=> \dF
   List of text search configurations
 Schema  | Name | Description
---------+------+-------------
 public  | pg   |

SET default_text_search_config = 'public.pg';
SET

SHOW default_text_search_config;
 default_text_search_config
----------------------------
 public.pg