文書作成処理にて必要とされた様々なツールをインストールする時に使った 2 つの方法についての経験談を示します。1 つは Linux での RPM を使った インストールで、他方は一般的な、個々のツールのオリジナル配布物からの インストールです。両方について以下に示します。
Jade と関連するパッケージ用の RPMsをインストールして下さい。
DocBook ソースを Emacs を使って編集する際、及び、Norman Walsh 氏の DSSSL スタイルシートを使って HTML と RTF の生成処理を行なう際に必要とする、ソフトウエ アの入手とインストールの過程についての簡単な実行手順を示します。
ここでの手順は、 sgml-tools パッケージにある、新しい jade/DocBook サ ポートを範囲にはしていません。私たちは、このパッケージが DocBook を 対応してから、このパッケージを試したことがありません。しかし、その使 用はほとんど確かに良い候補です。
必要とするものは、以下のものです。
GCC 2.7.2 が動作するようにインストールされていること
Emacs 19.19 以降が動作するようにインストールされていること
伸長用の UNIX 用の unzip プログラム
入手しなければいけないものは以下のものです。
James Clark氏 の Jade (原稿を作成している段階では jade1_1.zip ファイル のバージョン 1.1 が最新版でした。)
Norman Walsh氏の Modular Stylesheets (この文書の生成にはバージョン 1.19 が使われました。)
Lennart Staflin氏の PSGML (原稿を作成している段階では、psgml-1.0.1.tar.gz というバージョン 1.0.1 が入手可能でした。)
重要なURLとして以下のものがあります。 -->
Jade のインストール
上述の URL 一覧にあるインストール手順を読んで下さい。
適当なところで配布物を unzip して下さい。これを行なうコマンドは次 のようなものになります。
unzip -aU jade1_1.zip
Jade は GNU Autoconf を使って構築されていません ので、Makefile を自分で編集しなければいけませ ん。James Clark 氏はかなり十分にキットを準備していますので、構築用 のディレクトリを(多分マシンのアーキテクチャの名前で)、 Jade 配布物のメインディレクトリの下に作 成し、Makefile ファイルをメインディレクトリか らそこにコピーし、そこで編集及び makeを実行する ことは良い考えです。
しかし、Makefile は編集される必要がありません。メ インディレクトリには Jade 構築時に make -f Makefile.jade として使われることを目的とし た Makefile.jade というファイルがあります。( Jade を構築する際に使用する、 SGML のパーサ・キット SP とは対象的です。)ですが、それをしないことを勧めます。 Makefile.jade 内のものよりも多くのものを変更しな ければいけないからです。まぁともかくどちらかを編集しなければいけません。
James 氏の手順を読みながら、必要な編集を Makefile 全体に行なって下さい。設定が必要な多く の変数があります。以下に、最も重要な変数とその典型的な値をまとめたも のを示します。
prefix = /usr/local XDEFINES = -DSGML_CATALOG_FILES_DEFAULT=\"/usr/local/share/sgml/catalog\" XLIBS = -lm RANLIB = ranlib srcdir = .. XLIBDIRS = grove spgrove style XPROGDIRS = jadeSGML サポートファイルのカタログのデフォルト値をど こにするのかという指定には注意して下さい。もっとインストール環境に適 した別のところに変更した方がいいかもしれません。上の数学ライブラリと ranlib コマンドの設定を必要としないシステムの場合 は、Makefile 内の記述のままにしておいて下さい。
Jade と各種 SP ツールを構築するために make と入力して下さい。
ソフトウエアの構築が終ってから、make install を入力 してインストールを行なって下さい。
DocBook DTD キットのインストール
DocBook DTD キットを Jade がそこにあるべきとしているディレクト リ、上で示した通りに構築している場合は /usr/local/share/sgml/ にファイルを設置した方が いいでしょう。実際の DocBook ファイル以外 にも、文書型の指定と外部実体参照をそのディレクトリ内にある実際のファ イルに割り当てるための catalog ファイルも適切な 状態にしておかなければいけません。ISO 文字セット のマッピングと多分複数のバージョンの HTML の設定 もした方がいいでしょう。
各種 DTD とサポートファイルのインストール、及び、 catalog ファイルの設定を行なう 1 つの方法は、そ れらを全て上述のディレクトリにまとめ、それら全てを記述した CATALOG という名前の 1 ファイルを使用し、このフ ァイルを示すカタログとなる、次の 1 行を内容とした catalog ファイルを作成するという方法です。
CATALOG /usr/local/share/sgml/CATALOG
CATALOG ファイルには 3 種類の行があります。最初の ものは、以下のような(オプションの)SGML 宣言です。
SGMLDECL docbook.dcl次に、DTD の各種参照と実体ファイルが解決されなけれ ばいけません。DocBook ファイルの場合は、次 のような行になります。
PUBLIC "-//Davenport//DTD DocBook V3.0//EN" docbook.dtd PUBLIC "-//USA-DOD//DTD Table Model 951010//EN" cals-tbl.dtd PUBLIC "-//Davenport//ELEMENTS DocBook Information Pool V3.0//EN" dbpool.mod PUBLIC "-//Davenport//ELEMENTS DocBook Document Hierarchy V3.0//EN" dbhier.mod PUBLIC "-//Davenport//ENTITIES DocBook Additional General Entities V3.0//EN" dbgenent.mod
PUBLIC "ISO 8879-1986//ENTITIES Added Latin 1//EN" ISO/ISOlat1ここでのファイル名にディレクトリ名が含まれ、ISO の 実体ファイルを ISO というサブディレクトリに設置し ていることを示していることに注意して下さい。さらに、適切なカタログエン トリは入手した実体キットに附属しています。
Norman Walsh 氏の DSSSL スタイルシートのインストール
上述の URL 一覧にあるインストール手順を読んで下さい。
Norman 氏のスタイルシートをインストールするためには、単に適当な場所で 配布キットを unzip します。これを行なうのに適切な場所は /usr/local/share で、その場合、このキットは /usr/local/share/docbook 以下のディレクトリツリー に設置されます。次のようなコマンドを入力します。
unzip -aU db119.zip
インストールに関する試験の 1 つの方法は、 PostgreSQL ユーザーズガイド の HTML と RTF 形式を作成する ことです。
HTML ファイルを構築するためには、 SGMLソースディレクトリ、 doc/src/sgml に移動し、以下を入力します。
jade -t sgml -d /usr/local/share/docbook/html/docbook.dsl -D ../graphics postgres.sgml
book1.htm がこの出力の最上位ノードとなります。
RTF 出力を生成して、お好みのワープロへのインポート 及び印刷の準備をするためには、次のコマンドを入力します。
jade -t rtf -d /usr/local/share/docbook/print/docbook.dsl -D ../graphics postgres.sgml
PSGML のインストール
上述の URL 一覧にあるインストール手順を読んで下さい。
配布ファイルを伸長し、configure、make、make install を実行して、バ イトコンパイルされたファイルと info ライブラリを適切に設置して下さ い。
Emacs が PSGML を必要に応じて適切に読み込むことができるように、 /usr/local/share/emacs/site-lisp/site-start.el ファイルに以下の行を追加して下さい。
(setq load-path (cons "/usr/local/share/emacs/site-lisp/psgml" load-path)) (autoload 'sgml-mode "psgml" "Major mode to edit SGML files." t)
HTML を編集する時にも PSGML を使用したい場合は、次も追加して 下さい。
(setq auto-mode-alist (cons '("\\.s?html?\\'" . sgml-mode) auto-mode-alist))
PSGML の使用にあたって注意すべき重要な点 が 1 つあります。その作者が、SGML DTD のメインディレクトリを /usr/local/lib/sgml にあるものと仮定していると いう点です。この章の例のように、 /usr/local/share/sgml を使っている場合はこれを 補わなければなりません。
SGML_CATALOG_FILES 環境変数を設定できます。
PSGML のインストールをカスタマイズできます。 (その方法はマニュアルにかいてあります。)
PSGML のコンパイル、インストールの前 に psgml.el ソースファイルを編集して、直接 記述されているパスを環境に合わせることさえも可能です。
希望するならば、TeX を Jade の整形用のバックエンドとして使用する、 JadeTeX をインストールすることもできます。 これはまだあまり洗練されていないソフトウエアで、 RTF バックエンドよりも劣った印刷用出力を生成するこ とに気を付けて下さい。特に表を持たない単純な文書に関してきちんと動作 し、また、JadeTeX もそのスタイルシートも改 良が続いています。今後確実に良くなっていくでしょう。
JadeTeX のインストールと利用のためには、 補助用の ツール、 画像 パッケージである、 Babel、AMS フォント、AMS-LaTeX、及び、 PSNFSS 拡張・必携キット である "the 35 fonts"、PostScript を生成す るためのプログラム dvips、及び、 fancyhdr、 hyperref、 minitoc、url、 ot2enc マクロパッケージ、もちろん、 JadeTeX 自身も含め、 TeX と LaTeX2e が動作するようにインストールされていなければなりません。これらは全て身 近の CTAN サイトにあります。
この原稿を作成している段階では、JadeTeX に は大したインストールガイドがありません。しかし、何が必要とされている のかを示す makefile があります。また cooked というディレクトリもあり、そこには必要な マクロパッケージがいくつかあります。すくなくとも私が見た時は全てが完 全に揃っていませんでした。
jadetex.fmt フォーマットファイルを構築する前に、 多分 jadetex.ltx ファイルを編集して、 Babel の設定を環境に合わせて変更した方が いいでしょう。
\RequirePackage[german,french,english]{babel}[1997/01/23]のような行を変更して、実際に必要とする、 Babel の設定が済んだ言語だけを明示的に指 定しなければなりません。
JadeTeX を導入すると、次のコマンドを (上と同様に doc/src/sgml ディレクトリで)入 力することで、PostgreSQL のマニュアル を TeX 形式の出力として生成できます。
jade -t tex -d /usr/local/share/docbook/print/docbook.dsl -D ../graphics postgres.sgml jadetex postgres.tex jadetex postgres.tex dvips postgres.dviもちろん、このとき、TeX は 2 番目を処理し ている間に停止して、許容量を越えていることを知らせるかもしれません。 判っている限りでは、JadeTeX におけるクロス レファレンス情報の生成方法が原因です。もちろん、 TeX はもっと大きなデータ構造をコンパイルで きます。この詳細はインストール環境によって変わります。