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8.13. XML

xmlデータ型を使用して、XMLデータを格納することができます。 text型のフィールドにXMLデータを格納する方法より、入力された値が整形式かどうかを検査することができるという利点があります。 また、型を安全に操作するサポート関数が存在します。 項9.14を参照してください。 このデータ型を使用するためには、インストレーションがconfigure --with-libxmlで構築されていることが必要です。

xml型は、XML標準で定義された整形式の"文書"、およびXML標準によるXMLDecl? content生成規則で定義された"コンテンツ"フラグメントを格納することができます。 大雑把に言うと、これは、コンテンツフラグメントが1つ以上の最上位要素や文字ノードを持つことができることを意味します。 xmlvalue IS DOCUMENTという式を使用して、特定のxmlが完全な文書か単なるコンテンツフラグメントか評価することができます。

8.13.1. XML値の作成

文字データからxml型の値を生成するためには、xmlparse関数を使用してください。

XMLPARSE ( { DOCUMENT | CONTENT } value)

例:

XMLPARSE (DOCUMENT '<?xml version="1.0"?><book><title>Manual</title><chapter>...</chapter></book>')
XMLPARSE (CONTENT 'abc<foo>bar</foo><bar>foo</bar>')

これは標準SQLに従った文字列をXML値に変換する方法にすぎませんが、次のようなPostgreSQL固有の構文も使用することができます。

xml '<foo>bar</foo>'
'<foo>bar</foo>'::xml

xml型では、入力値に含まれているかもしれない文書型定義(DTD)を使用して、入力値を検証することは行いません。

xmlから文字列型を生成するという逆の操作ではxmlserialize関数を使用してください。

XMLSERIALIZE ( { DOCUMENT | CONTENT } value AS type )

ここで、typeは、charactercharacter varyingtext(またはこれらの別名)のいずれか1つを取ることができます。 繰り返しになりますが、これは標準SQLに従ったxmlと文字列型間の変換方法に過ぎません。 PostgreSQLでは、単に値をキャストすることが可能です。

XMLPARSEXMLSERIALIZEを使わずに文字列値とxmlとの間をキャストした場合、 DOCUMENTCONTENTかという選択が"XMLオプション"セッション設定パラメータによって決定されます。 このパラメータは標準コマンド

SET XML OPTION { DOCUMENT | CONTENT };

または、よりPostgreSQLらしい構文

SET xmloption TO { DOCUMENT | CONTENT };

を使用して設定することができます。 デフォルトはCONTENTですので、すべての書式のXMLデータを扱うことができます。

8.13.2. 符号化方式の取扱い

クライアント側、サーバ側、および、これらを経由してやり取りされるXMLデータ内部で複数の文字符号化方式を扱う場合には注意が必要です。 サーバへの問い合わせをテキストモードで渡す場合とクライアントへの問い合わせ結果をテキストモードで渡す場合(どちらも通常のモードです)、 PostgreSQLは、クライアントからサーバ、サーバからクライアントでやり取りされるすべての文字データを受信側の文字符号化方式に変換します。 項22.2を参照してください。 これには上の例のようなXML値の文字列表現も含まれます。 これは通常、クライアント/サーバ間でやり取りされる間には、文字データが他方の符号化方式に変換されてしまうので、XMLデータに埋め込まれたencoding宣言は正しくないものになる可能性があることを意味します。 この動作に対処するため、xml型の入力となる文字列表現は、そこに含まれているencoding宣言は無視され、その内容は常にサーバの現在の符号化方式になっているものと仮定されます\。 したがって、正しく処理するためには、XMLデータにおけるこうした文字列をクライアントの現在の符号化方式で送信しなければなりません。 サーバに送信する前に文書を現在のクライアントの符号化方式に変換するか、クライアントの符号化方式を適切に調節するかは、クライアントの責任です。 出力では、xml型の値はencoding宣言を持ちません。 クライアントはそのデータが現在のクライアントの符号化方式であることを前提としなければなりません。

バイナリモードを使用して、問い合わせパラメータをサーバに渡す場合、および、問い合わせ結果をクライアントに返す場合、文字セットの変換は行われません。 このため、状況は異なります。 この場合、XMLデータ内のencoding宣言が観測され、もし存在しなければ、データがUTF-8であると仮定されます。 (XML標準の要求通りです。PostgreSQLはUTF-16をまったくサポートしていないことに注意してください。) 出力では、データはクライアントの符号化方式を指定したencoding宣言を持ちます。 ただし、もしクライアントの符号化方式がUTF-8の場合はencoding宣言は省略されます。

言うまでもありませんが、PostgreSQLを使用したXML処理ではエラーが起こりづらく、また、もしデータの符号化方式、クライアントの符号化方式、サーバの符号化方式が同じ場合はより効率的です。 XMLデータは内部的にUTF-8として処理されますので、サーバの符号化方式が同一のUTF-8である場合、最も効率が上がります。

8.13.3. XML値へのアクセス

xmlデータ型は通常と異なり、比較演算子をまったく提供しません。 これは、XMLデータに対し、よく定義され、誰にとっても有用な比較アルゴリズムが存在しないためです。 この結果、xml列を検索値と比べて行を取り出すことはできません。 したがって通常XML値には、IDなどの別のキーフィールドを一般的に付属させなければなりません。 XML値の比較を行うもうひとつの方法は、文字列に一度変換することです。 しかし、文字列比較は有用なXML比較方法といえないことに注意してください。

xmlデータ型用の比較演算子がありませんので、この型の列に直接インデックスを作成することはできません。 XMLデータに対する高速な検索が必要ならば、その表現を文字列型にキャストし、それをインデックス付けするか、または、XPath式をインデックス付けするかという対策をとることができます。 当然ながら、インデックス付けされた式で検索されるよう実際の問い合わせを調整する必要があります。

PostgreSQLのテキスト検索機能を使用して、XMLデータ内の全文検索速度をあげることもできます。 しかし、このリリースのPostgreSQL配布物では必要な前処理をサポートしていません。