PostgreSQLサーバによって発行されるメッセージはすべて、標準SQLにおける"SQLSTATE"コードの記述方法に従った、5文字のエラーコードが割り当てられています。 どのようなエラー条件が発生したかを把握しなければならないアプリケーションは、通常テキスト形式のエラーメッセージを確認するのではなく、このエラーコードを検査すべきです。 このエラーコードは、PostgreSQL リリースの違いによって変更することはあまりありません。また、エラーメッセージの各国言語化による変更にも影響されません。 PostgreSQLで発行されるエラーコードの幾つか(全部ではありません)は、標準SQLで定義されていることに注意して下さい。 標準SQLで定義されていない追加のエラーコードは、独自のものであったり他のデータベースから取り入れたものです。
標準に従い、エラーコードの最初の2文字はエラーのクラスを表し、残り3文字がそのクラス内の特定条件を表します。 従って、特定のエラーコードを検知するアプリケーションは、エラークラスから何をすべきかを推定することさえもできます。
表A-1は、PostgreSQL 8.0.4で定義されたエラーコードをすべて一覧で示しています。 (標準SQLでは定義されているが、現在実際に使用されていないものもあります。) このエラークラスはまた、 各エラークラスに対し、残りの3文字が000となる"標準"エラーコードが存在することを示しています。 あるクラスの範囲内で発生したが、より特定のコードが割り当てられていないエラー条件のためだけに、このコードが使用されます。
それぞれのエラーに対するPL/pgSQLの状態は、空白の代わりにアンダースコアとなっていますが、 表に示してある表現と同一のものです。例えば、コード22012はDIVISION BY ZEROですが状態名はDIVISION_BY_ZEROです。状態名は大文字でも小文字でも記述可能です。(PL/pgSQLは、エラーの場合と異なり、警告の場合にはその状態名を認識しません。これらはクラス00と01と02です。)
表 A-1. PostgreSQL エラーコード
エラーコード | 意味 | |
---|---|---|
00クラス | 正常終了 | |
00000 | 正常終了 | |
01クラス | 警告 | |
01000 | 警告 | |
0100C | 動的な結果セットが返されました。 | |
01008 | 暗黙的な0によるビット埋めがあります。 | |
01003 | 集合関数内でNULL値は省略されました。 | |
01007 | 権限が付与されていません。 | |
01006 | 権限が剥奪されていません。 | |
01004 | 文字列データの右側が除去されました。 | |
01P01 | 廃止予定です。 | |
02クラス | データがありません。— SQL:1999ではこれは警告クラスです。 | |
02000 | データがありません。 | |
02001 | 更なる動的結果セットは返されませんでした。 | |
03クラス | SQL 文の未完了 | |
03000 | SQL 文は未完了です。 | |
08クラス | 接続の例外 | |
08000 | 接続の例外が発生しました。 | |
08003 | 接続が存在しません。 | |
08006 | 接続に失敗しました。 | |
08001 | SQLクライアントはSQL接続を確立できませんでした。 | |
08004 | SQLサーバはSQL接続の確立を拒絶しました。 | |
08007 | トランザクションの解決が不明でした。 | |
08P01 | プロトコル違反 | |
09クラス | トリガによるアクションの例外 | |
09000 | トリガによるアクション例外 | |
0Aクラス | サポートされない機能 | |
0A000 | サポートされない機能 | |
0Bクラス | 無効なトランザクションの初期化 | |
0B000 | 無効なトランザクションの初期化 | |
0Fクラス | ロケータの例外 | |
0F000 | ロケータの例外 | |
0F001 | 無効なロケータ指定 | |
0Lクラス | 無効な権限付与 | |
0L000 | 無効な権限付与 | |
0LP01 | 無効な権限付与操作 | |
0Pクラス | 無効なロールの指定 | |
0P000 | 無効なロールの指定 | |
21クラス | 次数違反 | |
21000 | 次数違反 | |
22クラス | データ例外 | |
22000 | データ例外 | |
2202E | 配列添え字エラー | |
22021 | 許容範囲外の文字 | |
22008 | 日付時刻フィールドのオーバーフロー | |
22012 | ゼロ割り | |
22005 | 代入エラー | |
2200B | エスケープ文字の競合 | |
22022 | 指示子のオーバーフロー | |
22015 | 内部フィールドのオーバーフロー | |
2201E | 無効な対数の変数 | |
2201F | 無効な階乗関数の変数 | |
2201G | INVALID ARGUMENT FOR WIDTH BUCKET FUNCTION | 無効な幅バケット関数の変数 |
22007 | 無効な日付時刻の書式 | |
22019 | 無効なエスケープ文字 | |
2200D | 無効なエスケープバイト(8bit) | |
22025 | 無効なエスケープシーケンス | |
22010 | 無効な指示子パラメータの値 | |
22020 | 無効な制限値 | |
22023 | 無効なパラメータ値 | |
2201B | 無効な正規表現 | |
22009 | 無効なタイムゾーン置換値 | |
2200C | エスケープ文字の無効な使用 | |
2200G | 最も明確な型の不一致 | |
22004 | NULL 値の不許可 | |
22002 | NULL値、もしくは、指示子パラメータがない | |
22003 | 範囲外の数値 | |
22026 | 文字列長の不一致 | |
22001 | 文字列データの右側の切り詰め | |
22011 | 部分文字列エラー | |
22027 | 切り詰めエラー | |
22024 | 終端の無いC 文字列 | |
2200F | 空の文字列 | |
22P01 | 浮動小数点例外 | |
22P02 | 無効なテキスト表現 | |
22P03 | 無効なバイナリ表現 | |
22P04 | コピーファイルの書式不良 | |
22P05 | 翻訳できない文字 | |
23クラス | 整合性制約違反 | |
23000 | 整合性制約違反 | |
23001 | 制限違反 | |
23502 | 非NULL違反 | |
23503 | 外部キー違反 | |
23505 | 一意性違反 | |
23514 | 検査違反 | |
24クラス | 無効なカーソル状態 | |
24000 | 無効なカーソル状態 | |
25クラス | 無効なトランザクション状態 | |
25000 | 無効なトランザクション状態 | |
25001 | SQLトランザクションが実行中 | |
25002 | 分岐トランザクションが既に実行中 | |
25008 | 保持しているカーソルは同一の隔離レベルを要求 | |
25003 | 分岐トランザクションにおける不適切なアクセスモード | |
25004 | 分岐トランザクションにおける不適切な隔離レベル | |
25005 | 分岐トランザクションにおいて活動中のSQLトランザクションが存在しない | |
25006 | 読み取りのみのSQL トランザクション | |
25007 | スキーマとデータ文の混在はサポートしていない | |
25P01 | 活動中のSQLトランザクションが存在しない | |
25P02 | 失敗したSQLトランザクション内である | |
26クラス | 無効なSQL文の名前 | |
26000 | 無効なSQL文の名前 | |
27クラス | トリガによるデータ変更違反 | |
27000 | トリガによるデータ変更違反 | |
28クラス | 無効な認証指定 | |
28000 | 無効な認証指定 | |
2Bクラス | 依存する権限記述子がまだ存在する | |
2B000 | 依存する権限記述子がまだ存在する | |
2BP01 | 依存するオブジェクトがまだ存在する | |
2Dクラス | 無効なトランザクションの終了 | |
2D000 | 無効なトランザクションの終了 | |
2Fクラス | SQL 関数例外 | |
2F000 | SQL 関数例外 | |
2F005 | 実行した関数にRETURN文が存在しない | |
2F002 | SQLデータの変更は許可されていない | |
2F003 | 禁止されたSQL文の試行 | |
2F004 | SQLデータの読み取りは許可されていない | |
34クラス | 無効なカーソル名称 | |
34000 | 無効なカーソル名称 | |
38クラス | 外部関数例外 | |
38000 | 外部関数例外 | |
38001 | 含まれるSQLは許可されていない。 | |
38002 | SQLデータの変更は許可されていない。 | |
38003 | 禁止されたSQL文の試行 | |
38004 | SQLデータの読み取りは許可されていない | |
39クラス | 外部関数呼び出し例外 | |
39000 | 外部関数呼び出し例外 | |
39001 | 無効なSQLSTATEが返された。 | |
39004 | NULL 値は許されません。 | |
39P01 | トリガプロトコル違反 | |
39P02 | SRFプロトコル違反 | |
3Bクラス | セーブポイント例外 | |
3B000 | セーブポイント例外 | |
3B001 | 無効なセーブポイント指定 | |
3Dクラス | 無効なカタログ名称 | |
3D000 | 無効なカタログ名称 | |
3Fクラス | 無効なスキーマ名称 | |
3F000 | 無効なスキーマ名称 | |
40クラス | トランザクションロールバック | |
40000 | トランザクションロールバック | |
40002 | トランザクション整合性制約違反 | |
40001 | シリアライゼーション失敗 | |
40003 | 文の完了が不明 | |
40P01 | デッドロックの検出 | |
42クラス | 構文エラー、もしくは、アクセスロール違反 | |
42000 | 構文エラー、もしくは、アクセスロール違反 | |
42601 | 構文エラー | |
42501 | 不十分な権限 | |
42846 | 強制型変換不可能 | |
42803 | グループ化エラー | |
42830 | 無効な外部キー | |
42602 | 無効な名称 | |
42622 | 長過ぎる名称 | |
42939 | 予約語 | |
42804 | データ型の不一致 | |
42P18 | データ型の未解決 | |
42809 | 不正なオブジェクトの型 | |
42703 | 未定義列 | |
42883 | 未定義関数 | |
42P01 | 未定義テーブル | |
42P02 | 未定義パラメータ | |
42704 | 未定義オブジェクト | |
42701 | 列の重複 | |
42P03 | カーソルの重複 | |
42P04 | データベースの重複 | |
42723 | 関数の重複 | |
42P05 | 準備済み文の重複 | |
42P06 | スキーマの重複 | |
42P07 | テーブルの重複 | |
42712 | 別名の重複 | |
42710 | オブジェクトの重複 | |
42702 | 曖昧な列 | |
42725 | 曖昧な関数 | |
42P08 | 曖昧なパラメータ | |
42P09 | 曖昧な別名 | |
42P10 | 無効な列参照 | |
42611 | 無効な列定義 | |
42P11 | 無効なカーソル定義 | |
42P12 | 無効なデータベース定義 | |
42P13 | 無効な関数定義 | |
42P14 | 無効な準備済み文の定義 | |
42P15 | 無効なスキーマ定義 | |
42P16 | 無効なテーブル定義 | |
42P17 | 無効なオブジェクト定義 | |
44クラス | 検査オプションに伴う違反 | |
44000 | 検査オプションに伴う違反 | |
53クラス | リソース不足 | |
53000 | リソース不足 | |
53100 | ディスク空き容量不足 | |
53200 | メモリ不足 | |
53300 | 接続過多 | |
54クラス | プログラム制限の超過 | |
54000 | プログラム制限の超過 | |
54001 | 文が複雑過ぎる | |
54011 | 列数の過多 | |
54023 | 引数の過多 | |
55クラス | 必要条件を満たさないオブジェクト | |
55000 | 必要条件を満たさないオブジェクト | |
55006 | 使用中のオブジェクト | |
55P02 | 関数パラメータは変更できません | |
55P03 | ロックは使用できません | |
57クラス | 操作の介入 | |
57000 | 操作の介入 | |
57014 | 問い合わせのキャンセル | |
57P01 | 管理者による停止 | |
57P02 | クラッシュによる停止 | |
57P03 | 現在接続できません | |
58クラス | システムエラー(外部原因によるPostgreSQL自体のエラー) | |
58030 | 入出力エラー | |
58P01 | 未定義のファイル | |
58P02 | 重複するファイル | |
F0クラス | 設定ファイルエラー | |
F0000 | 設定ファイルエラー | |
F0001 | ロックファイルの存在 | |
P0クラス | PL/pgSQLエラー | |
P0000 | PLPGSQLエラー | |
P0001 | 例外の発生 | |
Class XX | 内部エラー | |
XX000 | 内部エラー | |
XX001 | データの破損 | |
XX002 | インデックスの破損 |