表9-31に、inet型およびcidr型で使用可能な演算子を示します。演算子 <<、<<=、>>、および>>=はサブネットに含まれているかどうかを調べるものです。ネットワークアドレスのホスト部分を無視し、ネットワークの部分のみを考慮して2つのネットワークアドレスが等しいか、もしくは一方のネットワークが他方のサブネットになっているかを特定します。
表 9-31. cidr and inet Operators
演算子 | 説明 | 例 |
---|---|---|
< | 未満 | inet '192.168.1.5' < inet '192.168.1.6' |
<= | 未満もしくは等しい(以下) | inet '192.168.1.5' <= inet '192.168.1.5' |
= | 等しい | inet '192.168.1.5' = inet '192.168.1.5' |
>= | より大きいもしくは等しい(以上) | inet '192.168.1.5' >= inet '192.168.1.5' |
> | より大きい | inet '192.168.1.5' > inet '192.168.1.4' |
<> | 等しくない | inet '192.168.1.5' <> inet '192.168.1.4' |
<< | 内包される | inet '192.168.1.5' << inet '192.168.1/24' |
<<= | 内包されるか等しい | inet '192.168.1/24' <<= inet '192.168.1/24' |
>> | 内包する | inet '192.168.1/24' >> inet '192.168.1.5' |
>>= | 内包するか等しい | inet '192.168.1/24' >>= inet '192.168.1/24' |
表9-32に、inet型およびcidr型で使用可能な関数を示します。関数host()
、text()
、およびabbrev()
は主として、代替の整形表示を提供する目的のものです。通常のキャスト用構文、inet(expression)またはcolname::inetを使用しテキスト値をinetにキャストすることができます。
表 9-32. cidrおよびinet型関数
関数 | 戻り値 | 説明 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|---|
broadcast (inet) | inet | ネットワークブロードキャストアドレス | broadcast('192.168.1.5/24') | 192.168.1.255/24 |
host (inet) | text | IPアドレスをテキストで抽出 | host('192.168.1.5/24') | 192.168.1.5 |
masklen (inet) | int | ネットマスク長を抽出 | masklen('192.168.1.5/24') | 24 |
set_masklen (inet, int) | inet | inet値に対するネットマスク長を設定 | set_masklen('192.168.1.5/24', 16) | 192.168.1.5/16 |
netmask (inet) | inet | ネットワークにネットマスクを構築 | netmask('192.168.1.5/24') | 255.255.255.0 |
hostmask (inet) | inet | ネットワークにホストマスクを構築 | hostmask('192.168.23.20/30') | 0.0.0.3 |
network (inet) | cidr | ネットワークアドレスからネットワーク部を抽出 | network('192.168.1.5/24') | 192.168.1.0/24 |
text (inet) | text | IPアドレスとネットマスク長をテキストで抽出 | text(inet '192.168.1.5') | 192.168.1.5/32 |
abbrev (inet) | text | 省略形表示をテキストで抽出 | abbrev(cidr '10.1.0.0/16') | 10.1/16 |
family (inet) | int | アドレス系列を抽出。IPv4の場合は4、IPv6の場合は6 | family('::1') | 6 |
表9-33に、macaddr型で使用可能な関数を示します。関数trunc
(macaddr)は終わりの3バイトがゼロに設定されたMACアドレスを返します。これは、残った接頭部を製造者に対応させることに使えます。ソース配付物のcontrib/macディレクトリに対応表を作成、維持するためのいくつかのユーティリティがあります。
表 9-33. macaddr関数
関数 | 戻り値 | 説明 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|---|
trunc (macaddr) | macaddr | 終わりの3バイトをゼロに設定 | trunc(macaddr '12:34:56:78:90:ab') | 12:34:56:00:00:00 |
macaddr型は(>、<=等の)辞書編集順に並べる標準関係演算子もサポートします。