PostgreSQLはイベントトリガについての情報を取得するために以下のヘルパ関数を提供しています。
イベントトリガについての詳細は第40章を参照して下さい。
pg_event_trigger_ddl_commands
() →setof record
pg_event_trigger_ddl_commands
がddl_command_end
イベントトリガーに付与された関数から起動されると、各ユーザの操作によって実行されたDDLコマンドの一覧を返します。
それ以外の環境から呼び出された場合はエラーが発生します。
pg_event_trigger_ddl_commands
は、実行された基となるコマンドのそれぞれについて1行を返します。
1つのSQL文として実行されるいくつかのコマンドに対して、複数の行が返されることもあります。
この関数は以下の列を返します。
名前 | 型 | 説明 |
---|---|---|
classid | oid | オブジェクトが属するカタログのOID |
objid | oid | カタログ内のオブジェクトのOID |
objsubid | integer | Sub-object ID (e.g., attribute number for a column) |
command_tag | text | コマンドのタグ |
object_type | text | オブジェクトの型 |
schema_name | text |
オブジェクトが属するスキーマの名前(あれば)。
なければNULL 。
引用符づけされない。
|
object_identity | text | オブジェクトの識別をテキスト表現したもので、スキーマ修飾される。 識別内に存在する各識別子は、必要なら引用符で括られる。 |
in_extension | boolean | コマンドが拡張のスクリプトの一部なら真 |
command | pg_ddl_command | コマンドを内部形式で完全に表現したもの。 これを直接出力することはできないが、コマンドについて他の情報を得るために、他の関数に渡すことができる。 |
pg_event_trigger_dropped_objects
() →setof record
関数pg_event_trigger_dropped_objects
は、それが呼ばれたsql_drop
イベントのコマンドにより削除された全てのオブジェクトのリストを返します。
それ以外の状況で呼ばれた場合、エラーが生じます。
この関数は以下の列を返します。
名前 | 型 | 説明 |
---|---|---|
classid | oid | オブジェクトが所属するカタログのOID |
objid | oid | カタログ内に所有するオブジェクトのOID |
objsubid | integer | Sub-object ID (e.g., attribute number for a column) |
original | boolean | これが削除のルートオブジェクトの一つなら真 |
normal | boolean | このオブジェクトへと至る依存関係グラフで、通常の依存があるなら真 |
is_temporary | boolean | オブジェクトが一時オブジェクトであったなら真 |
object_type | text | オブジェクトの型 |
schema_name | text |
オブジェクトが所属しているスキーマの名前(あれば)。
なければNULL 。
引用符づけされない。
|
object_name | text |
スキーマと名前の組み合わせがオブジェクトに対する一意の識別子として使用可能な場合はオブジェクトの名前。そうでないときはNULL 。
引用符は適用されず、名前は決してスキーマで修飾されない。
|
object_identity | text | オブジェクト識別のテキスト表現で、スキーマ修飾される。 識別内に存在する各識別子は必要であれば引用符で括られる。 |
address_names | text[] |
object_type およびaddress_args と一緒にpg_get_object_address() で使うことで、同じ種類で全く同じ名前のオブジェクトを含むリモートサーバ内のオブジェクトアドレスを再作成できる配列。
|
address_args | text[] |
address_names の補足。
|
関数pg_event_trigger_dropped_objects
は以下のようにイベントトリガとして使用可能です。
CREATE FUNCTION test_event_trigger_for_drops() RETURNS event_trigger LANGUAGE plpgsql AS $$ DECLARE obj record; BEGIN FOR obj IN SELECT * FROM pg_event_trigger_dropped_objects() LOOP RAISE NOTICE '% dropped object: % %.% %', tg_tag, obj.object_type, obj.schema_name, obj.object_name, obj.object_identity; END LOOP; END; $$; CREATE EVENT TRIGGER test_event_trigger_for_drops ON sql_drop EXECUTE FUNCTION test_event_trigger_for_drops();
表 9.100に示す関数は、table_rewrite
イベントが呼び出されたばかりのテーブルについての情報を提供します。
それ以外の状況で呼び出された場合はエラーが発生します。
表9.100 テーブル書き換え情報関数
これらの関数はイベントトリガ中で次のように使用できます。
CREATE FUNCTION test_event_trigger_table_rewrite_oid() RETURNS event_trigger LANGUAGE plpgsql AS $$ BEGIN RAISE NOTICE 'rewriting table % for reason %', pg_event_trigger_table_rewrite_oid()::regclass, pg_event_trigger_table_rewrite_reason(); END; $$; CREATE EVENT TRIGGER test_table_rewrite_oid ON table_rewrite EXECUTE FUNCTION test_event_trigger_table_rewrite_oid();