この節では PostgreSQL で使用可能な SQL 準拠の条件式について説明します。
Tip: ここで説明する条件式より発展した機能を求める場合は、より表現の豊富なプログラム言語でストアドプロシージャを記述することで解決されます。
CASE WHEN condition THEN result [WHEN ...] [ELSE result] END
SQL の CASE 式は他の言語の if/else 構文に類似した通常の条件式です。CASE 句は式が有効な位置であればどこでも使用可能です。条件とは 論理値の結果を返す式です。もし結果が真であれば CASE 式の値は result (結果) となります。もし結果が偽であれば同じようにして後に続く WHEN 句が調べられます。WHEN の 条件 のひとつも真でない場合、CASE 式の値は ELSE 句の result (結果)になります。ELSE 句が無くどの条件とも一致しない場合、結果は NULL です。
ひとつの例を示します。
=> SELECT * FROM test; a --- 1 2 3 => SELECT a, CASE WHEN a=1 THEN 'one' WHEN a=2 THEN 'two' ELSE 'other' END FROM test; a | case ---+------- 1 | one 2 | two 3 | other
すべての result (結果)式のデータ型は単一の出力型に強制されなければなりません。詳細は Section 5.6 を参照ください。
CASE expression WHEN value THEN result [WHEN ...] [ELSE result] END
この"簡略形" CASE 式は上に記述した一般形式からの特別な変形です。条件式は計算され、等しいものが見つかるまで WHEN 句のすべての値と比較されます。等しいものが見つからない場合、ELSE 句の result (結果)(もしくは NULL) が返されます。これは C 言語の switch 構文に似ています。
上の例は簡略形を使って次のように書くことができます。 CASE 構文:
=> SELECT a, CASE a WHEN 1 THEN 'one' WHEN 2 THEN 'two' ELSE 'other' END FROM test; a | case ---+------- 1 | one 2 | two 3 | other
COALESCE(value[, ...])
COALESCE 関数は NULL でない自身の最初の引数を返します。データを表示の目的で取り出す際、NULL 値の代わりにデフォルト値を使う場合時として便利なことがあります。その例です。
SELECT COALESCE(description, short_description, '(none)') ...
NULLIF(value1, value2)
NULLIF 関数は value1 と value2 が等しい場合、またその場合に限ってのみNULL を返します。その他の場合は value1 を返します。これを使って上記の COALESCE の例の逆演算を実行させることができます。
SELECT NULLIF(value, '(none)') ...
Tip: COALESCE と NULLIF 関数は CASE 式の単なる簡略表記です。これらの式は処理の早期段階で実際には CASE 式に変換されて、引き続く処理では CASE を取り扱っているように見なされます。したがって、 COALESCE または NULLIF を 誤って使用すると、CASE に関連したエラーメッセージが表示されることがあります。