PostgreSQL 9.3.2文書 | ||||
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本節ではPostgreSQLで使用可能なSQL準拠の条件式について説明します。
ティップ: ここで説明する条件式より発展した機能を求める場合は、より表現の豊富なプログラム言語でストアドプロシージャを記述することで解決されます。
SQLのCASE式は他のプログラミング言語のif/else構文に類似した汎用条件式です。
CASE WHEN condition THEN result [WHEN ...] [ELSE result] END
CASE句は式が有効な位置であればどこでも使用可能です。それぞれのconditionとはboolean型の結果を返す式です。もしconditionの結果が真であれば、CASE式の値は、conditionに続くresultとなります。 そして、CASE式の残りは処理されません。 もしconditionの結果が偽であれば後に続く全てのWHEN句が同じようにして調べられます。WHENのconditionの1つも真でない場合、CASE式の値はELSE句のresultになります。ELSE句が省略され、どのconditionも真でない場合、結果はNULLです。
以下に例を示します。
SELECT * FROM test; a --- 1 2 3 SELECT a, CASE WHEN a=1 THEN 'one' WHEN a=2 THEN 'two' ELSE 'other' END FROM test; a | case ---+------- 1 | one 2 | two 3 | other
全てのresult式のデータ型は単一の出力型に互換性がなければなりません。詳細は項10.5を参照してください。
以下のように、上記の一般的な形式と異なるCASE式の"単純な"形式が存在します。
CASE expression WHEN value THEN result [WHEN ...] [ELSE result] END
最初のexpressionは計算され、そしてそれに等しいものが見つかるまでWHEN句のそれぞれのvalue式と比較されます。
等しいものが見つからない場合、ELSE句のresult(もしくはNULL値)が返されます。これはC言語のswitch
文に似ています。
上の例は簡略形CASE構文を使って次のように書くことができます。
SELECT a, CASE a WHEN 1 THEN 'one' WHEN 2 THEN 'two' ELSE 'other' END FROM test; a | case ---+------- 1 | one 2 | two 3 | other
CASE式は、結果を決定するために不必要などんな副式をも評価しません。例えば、以下は0除算エラーを防ぐための方法です。
SELECT ... WHERE CASE WHEN x <> 0 THEN y/x > 1.5 ELSE false END;
注意: 項35.6にて説明したとおり、IMMUTABLEと指摘された関数と引数は、それが実行される時点ではなく問い合わせが計画された時点で評価されます。 このことが意味するのは、問い合わせ実行時点で評価されない副文脈の一定部分が問い合わせ計画の期間でも未だに評価され続けるということです。
COALESCE
(value [, ...])
COALESCE
関数は、NULLでない自身の最初の引数を返します。全ての引数がNULLの場合にのみNULLが返されます。データを表示目的で取り出す際、NULL値をデフォルト値で置き換えるためによく使用されています。以下に例を示します。
SELECT COALESCE(description, short_description, '(none)') ...
これはdescriptionがNULLでなければをそれ返します。そうでない場合(NULLの場合)は、short_descriptionがNULLでなければそれを返します。そうでもない場合は(none)が帰ります。
CASE式同様、COALESCE
は結果を決定するために必要な引数のみを評価します。つまり、非NULL引数が見つかれば、その右側にある引数は評価されません。このSQL標準関数はNVL
とIFNULL
と類似の機能を提供し、他のいくつかのデータベースシステムで使用されています。
NULLIF
(value1, value2)
NULLIF
関数は、value1がvalue2と等しい場合、NULL値を返します。
その他の場合はvalue1を返します。
これを使って、上記のCOALESCE
の例の逆演算を実行できます
SELECT NULLIF(value, '(none)') ...
この例では、value1が(none)ならばNULLが返ります。 さもなくばvalue1を返します
GREATEST
(value [, ...])
LEAST
(value [, ...])
GREATEST
とLEAST
関数は式の任意の数のリストから最大値もしくは最小値を選択します。評価される全ての式は、結果として得られるデータの型と共通の型に変換できなくてはなりません(詳細は項10.5を参照してください)。リストの中のNULL値は無視されます。全ての式がNULLと評価された場合に限って結果はNULLになります。
GREATEST
およびLEAST
はSQL標準に載っていませんが、共通した拡張です。他のいくつかのデータベースでは、全てがNULLの場合に限定せず、いずれかの引数がNULLである場合にNULLを返すようにしているものもあります。