この節では PostgreSQL で使用可能な SQL 準拠の条件式について説明します。
Tip: ここで説明する条件式より発展した機能を求める場合は、より表現の豊富なプログラム言語でストアドプロシージャを記述することで解決されます。
CASE WHEN condition THEN result
[WHEN ...]
[ELSE result]
ENDSQL の CASE 式は他の言語の if/else 構文に類似した通常の条件式です。CASE 句は式が有効な位置であればどこでも使用可能です。 条件とは 論理値の結果を返す式です。もし結果が真であれば CASE 式の値は result (結果) となります。もし結果が偽であれば同じようにして後に続く WHEN 句が調べられます。WHEN の 条件 のひとつも真でない場合、CASE 式の値は ELSE 句の result (結果)になります。 ELSE 句が無く、どの条件とも一致しない場合、結果は NULL です。
ひとつの例を示します。
=> SELECT * FROM test;
a
---
1
2
3
=> SELECT a,
CASE WHEN a=1 THEN 'one'
WHEN a=2 THEN 'two'
ELSE 'other'
END
FROM test;
a | case
---+-------
1 | one
2 | two
3 | other
すべての result (結果)式のデータ型は単一の出力型に強制されなければなりません。詳細は Section 7.5 を参照ください。
CASE expression
WHEN value THEN result
[WHEN ...]
[ELSE result]
ENDこの"簡略形" CASE 式は上に記述した一般形式からの特別な変形です。条件式は計算され、等しいものが見つかるまで WHEN 句のすべての値と比較されます。 等しいものが見つからない場合、ELSE 句の result (結果) (もしくは NULL 値) が返されます。これは C 言語の switch 構文に似ています。
上の例は簡略形を使って次のように書くことができます。 CASE 構文:
=> SELECT a,
CASE a WHEN 1 THEN 'one'
WHEN 2 THEN 'two'
ELSE 'other'
END
FROM test;
a | case
---+-------
1 | one
2 | two
3 | other
COALESCE(value [, ...])COALESCE 関数は、NULL でない自身の最初の引数を返します。 データを表示の目的で取り出す際、NULL 値の代わりにデフォルト値を使う場合、時として便利なことがあります。 その例です。
SELECT COALESCE(description, short_description, '(none)') ...
NULLIF(value1, value2)
NULLIF 関数は、value1 と value2 が等しい場合、またその場合に限ってのみ、NULL 値を返します。その他の場合は value1 を返します。 これを使って、上記の COALESCE の例の逆演算を実行できます。
SELECT NULLIF(value, '(none)') ...
Tip: COALESCE と NULLIF 関数はCASE 式の単なる簡略表記です。これらの式は処理の早期段階で実際には CASE 式に変換されて、引き続く処理では CASE を取り扱っているように見なされます。したがって、COALESCE または NULLIF を 誤って使用すると、CASE に関連したエラーメッセージが表示されることがあります。