ecpgは、Cプログラム用の埋め込みSQLプリプロセッサです。 ecpgは、SQL呼び出しを特殊な関数呼び出しに置き換えることによって、埋め込みSQL文を含むCプログラムを、通常のCコードに変換します。 これにより、出力ファイルは、どのようなCコンパイラツールを使用しても処理することができます。
ecpgは、コマンドラインで指定される各入力ファイルを、対応するC出力ファイルに変換します。 入力ファイルに.pgcという拡張子を付けておくと、出力ファイル名は拡張子が.cに置き換えられたものとなるので便利です。 入力ファイルの拡張子が.pgcでない場合、そのファイルのフルネームの末尾に.cを追加したものが出力ファイル名となります。 出力ファイル名は、-oオプションによって上書きすることもできます。
このリファレンスページでは、埋め込みSQL言語については説明しません。 第29章を参照してください。
ecpgは、以下のコマンドライン引数を受け付けます。
SQLコードから確実なCコードを自動的に生成します。 現在、このオプションはEXEC SQL TYPEに対して使用できます。
互換モードを設定します。 modeはINFORMIXもしくはINFORMIX_SEのどちらかを取ることができます。
Cプリプロセッサのシンボルを定義します。
追加のインクルード用パスを指定します。 これは、EXEC SQL INCLUDEを使用してインクルードされるファイルを検索する際に使用されます。 デフォルトは順に.(現行ディレクトリ)、/usr/local/include、コンパイル時に定義されるPostgreSQLのインクルードディレクトリ(デフォルトでは/usr/local/pgsql/include)、および/usr/includeです。
ecpgが、全ての出力をfilenameに書き込むことを指定します。
実行時の動作を選択します。 現時点では、optionはno_indicatorのみを取ることができます。
トランザクションの自動コミットを有効にします。 このモードでは、各SQLコマンドは明示的なトランザクションブロックの内部に無い限り、自動的にコミットされます。 デフォルトのモードでは、EXEC SQL COMMITが発行された時にのみコマンドはコミットされます。
バージョンやインクルード用パスなどの補足情報を表示します。
コマンド使用法の簡単な説明を表示し、終了します。
バージョン情報を出力し、終了します。
前処理されたCコードファイルをコンパイルする際、コンパイラはPostgreSQLのインクルードディレクトリ内にあるECPGヘッダファイルを検索可能でなければなりません。 そのため、コンパイラの呼び出しに-Iオプションを使用しなければならない場合があります(例: -I/usr/local/pgsql/include)。
SQLが埋め込まれたCプログラムは、-L/usr/local/pgsql/lib -lecpgリンカオプションを使用するなどして、libecpgライブラリをリンクする必要があります。
ご使用のシステムにおいて該当するこれらのディレクトリは、pg_configを使用して調べることができます。