Perl関数からのデータベースアクセスを、後述のspi_exec_query
もしくはDBD::PgSPI(CPAN ミラーサイトからでも入手可能)という実験段階のモジュール経由で行うことができます。
このモジュールにより、DBI互換の$pg_dbh
というデータベースハンドルを使用することができます。
このハンドルを使用して、通常のDBI構文を使用した問い合わせを行うことができます。
現在、PL/Perlは以下の補助的なPerlコマンドを3つ提供します。
spi_exec_query
(query [, max-rows])spi_exec_query
(command)spi_query
(command)spi_fetchrow
(command)spi_exec_queryはSQLコマンドを実行し、行セット全体をハッシュへの参照を要素とする配列への参照として返します。 結果が相対的に小規模であることが分かっている場合にのみこのコマンドを使用してください。 以下に最大行オプションを持った問い合わせ(SELECTコマンド)の例を示します。
$rv = spi_exec_query('SELECT * FROM my_table', 5);
これはmy_tableテーブルから5行までを返します。 my_tableにmy_column列がある場合、結果の第$i行の列値を以下のように取り出すことができます。
$foo = $rv->{rows}[$i]->{my_column};
SELECT問い合わせから返される行の総数は以下のようにアクセスできます。
$nrows = $rv->{processed};
以下は他の種類のコマンドを使用する例です。
$query = "INSERT INTO my_table VALUES (1, 'test')"; $rv = spi_exec_query($query);
この後、以下のようにコマンドステータス(例えばSPI_OK_INSERT)にアクセスすることができます。
$ $res = $rv->{status};
影響を受けた行数を取り出すには以下を行います。
$nrows = $rv->{processed};
以下に複雑な例を示します。
CREATE TABLE test ( i int, v varchar ); INSERT INTO test (i, v) VALUES (1, 'first line'); INSERT INTO test (i, v) VALUES (2, 'second line'); INSERT INTO test (i, v) VALUES (3, 'third line'); INSERT INTO test (i, v) VALUES (4, 'immortal'); CREATE OR REPLACE FUNCTION test_munge() RETURNS SETOF test AS $$ my $rv = spi_exec_query('select i, v from test;'); my $status = $rv->{status}; my $nrows = $rv->{processed}; foreach my $rn (0 .. $nrows - 1) { my $row = $rv->{rows}[$rn]; $row->{i} += 200 if defined($row->{i}); $row->{v} =~ tr/A-Za-z/a-zA-Z/ if (defined($row->{v})); return_next($row); } return undef; $$ LANGUAGE plperl; SELECT * FROM test_munge();
spi_queryおよびspi_fetchrowは、大規模になる可能性がある行セット用、または、行を順番通りに返したい場合向けに組み合わせて動作します。 spi_fetchrowはspi_queryと一緒でなければ動作しません。 組み合わせて使用する方法について、以下の例で示します。
CREATE TYPE foo_type AS (the_num INTEGER, the_text TEXT); CREATE OR REPLACE FUNCTION lotsa_md5 (INTEGER) RETURNS SETOF foo_type AS $$ use Digest::MD5 qw(md5_hex); my $file = '/usr/share/dict/words'; my $t = localtime; elog(NOTICE, "opening file $file at $t" ); open my $fh, '<', $file # ooh, it's a file access! or elog(ERROR, "Can't open $file for reading: $!"); my @words = <$fh>; close $fh; $t = localtime; elog(NOTICE, "closed file $file at $t"); chomp(@words); my $row; my $sth = spi_query("SELECT * FROM generate_series(1,$_[0]) AS b(a)"); while (defined ($row = spi_fetchrow($sth))) { return_next({ the_num => $row->{a}, the_text => md5_hex($words[rand @words]) }); } return; $$ LANGUAGE plperlu; SELECT * from lotsa_md5(500);
elog
(level, msg)ログまたはエラーメッセージを発行します。 使用できるレベルは、DEBUG、LOG、INFO、NOTICE、WARNING、およびERRORです。 ERRORはエラー状態を発生します。 その上位のPerlコードでこのエラーを捕捉しない場合、エラーは問い合わせの呼び出し元まで伝播し、その結果、現在のトランザクションもしくは副トランザクションはアボートします。 これは実質Perlのdieコマンドと同じです。 他のレベルは、異なる重要度のメッセージを生成するだけです。 log_min_messagesとclient_min_messages設定パラメータは、特定の重要度のメッセージをクライアントに報告するか、サーバのログに書き出すか、あるいはその両方かを制御します。 詳細は第17章を参照してください。