通常、最近のUnix互換プラットフォームならばPostgreSQLを動作させることができるはずです。 リリース時点で明示的なテストを受けていたプラットフォームを以下の17.6に示します。
PostgreSQLを構築するには、以下のソフトウェアパッケージが必要です。
GNU makeのバージョン3.81以上が必要です。
他のmakeや古いGNU makeでは動作しません。
(GNU makeはときどきgmake
という名前でインストールされます。)
GNU makeのテストを行うためには以下を実行してください。
make --version
代替として、Mesonを使用してPostgreSQLを構築することもできます。 これは現在実験的な機能であり、Gitチェックアウトから構築する場合(配布用のtarballからではない場合)にのみ動作します。 Mesonを使用することを選択した場合、GNU makeは必要ありませんが、以下の他の要件は引き続き適用されます。
Mesonの要求される最小のバージョンは0.54です。
ISO/ANSI Cコンパイラ(最低限C99-準拠)が必要です。 GCC の最近のバージョンをお勧めしますが、PostgreSQLは異なるベンダの、様々なコンパイラを使用して構築できることで知られています。
配布物を展開するために、tarおよびgzipかbzip2のどちらかが必要です。
GNU Readlineライブラリは、デフォルトで使用されます。
これによりpsql(PostgreSQLコマンドラインSQLインタプリタ)は入力したコマンドの記憶、さらに、カーソルキーを使用した過去のコマンドの再実行や編集ができるようになります。
これは非常に役に立ちますので、強く推奨します。
使用したくない場合は、configure
に--without-readline
オプションを指定する必要があります。
その代わりとして、BSDライセンスのlibedit
ライブラリを使用することもできます。
このライブラリはもともとNetBSDで開発されていました。
libedit
ライブラリはGNUのReadlineと互換性があり、libreadline
を認識できなかった場合やconfigure
のオプションに--with-libedit-preferred
が使用された場合に使用されます。
パッケージベースのLinuxディストリビューションを使用し、そのディストリビューションの中でreadline
とreadline-devel
パッケージが別個に存在していた場合、両方とも必要ですので注意してください。
zlib圧縮ライブラリはデフォルトで使用されます。
使用したくない場合は、configure
に--without-zlib
オプションを指定する必要があります。
このオプションを使用すると、pg_dumpおよびpg_restore内の圧縮アーカイブサポートが無効になります。
デフォルトではICUライブラリが使用されます。
使用したくない場合は、configure
のオプションに--without-icu
を指定する必要があります。
このオプションを使用すると、ICU照合機能( 24.2 を参照)のサポートが無効になります。
ICUサポートを使用するには、ICU4Cパッケージがインストールされている必要があります。 ICU4Cの要求される最小のバージョンは現在4.2です。
デフォルトでは、必要なコンパイルオプションを見つけるためにpkg-configが使用されます。
これはICU4Cバージョン4.6以降でサポートされています。
それより古いバージョンの場合やpkg-configが使えない場合には、変数ICU_CFLAGS
とICU_LIBS
をconfigure
に指定できます。
例を示します。
./configure ... ICU_CFLAGS='-I/some/where/include' ICU_LIBS='-L/some/where/lib -licui18n -licuuc -licudata'
(ICU4Cがコンパイラのデフォルトの検索パスにあるのなら、pkg-configの使用を避けるため、例えばICU_CFLAGS=' '
のような空でない文字列を指定することも必要です。)
以下のパッケージはオプションです。 これらはデフォルトの設定では必要ありませんが、下記のように特定の構築オプションを有効とする場合に必要となります。
サーバプログラム言語であるPL/Perlを構築するには、libperl
ライブラリとヘッダファイルを含む完全なPerlのインストレーションが必要です。
要求される最小のバージョンはPerl 5.14です。
PL/Perlは共有ライブラリですので、ほとんどのプラットフォームにおいてlibperl
ライブラリも共有ライブラリでなければなりません。
これは最近のバージョンのPerlではデフォルトのようですが、以前のバージョンではデフォルトではありませんでした。とにかく、これはPerlをサイトにインストールした人により決定されます。
PL/Perlを構築することを選択したのに共有のlibperl
が見つからなければ、configure
は失敗するでしょう。
その場合には、PL/Perlを構築できるようにするために手動でPerlを再構築してインストールしなければならないでしょう。
Perlの構成プロセスには共有ライブラリが必要です。
もし、PL/Perlを意図的に使用するつもりであるのなら、Perlのインストレーションがusemultiplicity
オプションを有効にして実施されているかを確認すべきです(perl -V
により有効かどうかを確認できます)。
PL/Pythonサーバプログラム言語を構築するには、ヘッダファイルとsysconfigモジュールを含むPythonのインストレーションが必要です。 要求される最小のバージョンはPython 3.2です。
PL/Pythonは共有ライブラリになりますので、ほとんどのプラットフォームでは、libpython
もまた共有ライブラリである必要があります。
ソースから構築したPythonのインストレーションでは、これはデフォルトではありませんが、共有ライブラリは多くのオペレーティングシステムのディストリビューションで入手可能です。
PL/Pythonを構築することを選択したのに共有のlibpython
が見つからなければ、configure
は失敗するでしょう。
それは、この共有ライブラリを提供するために追加のパッケージをインストールするか、Pythonのインストレーション(の一部)を再構築しなければならないということを意味しているかもしれません。
ソースから構築する場合、--enable-shared
フラグを付けてPythonのconfigureを実行してください。
PL/Tcl手続き言語の構築には、もちろんTclのインストレーションが必要です。 要求される最小のバージョンはTcl 8.4です。
各国語サポート(NLS)、つまり、英語以外の言語によるプログラムメッセージの表示機能を有効にするには、Gettext APIの実装が必要です。 オペレーティングシステムの中には(例えば、Linux、NetBSD、Solarisなど)、組み込み済みのものがあります。 他のシステムでは、追加パッケージをhttps://www.gnu.org/software/gettext/からダウンロードできます。 GNU Cライブラリのgettextの実装を使用する場合、さらにいくつかのユーティリティプログラムのためにGNU Gettextパッケージが必要となります。 他の実装の場合には必要ありません。
暗号化されたクライアント接続をサポートする場合にはOpenSSLが必要です。
OpenSSLは、/dev/urandom
のないプラットフォーム(Windowsを除く)での乱数生成のためにも必要です。
要求される最小のバージョンは1.0.1です。
MIT Kerberos(GSSAPI用)、OpenLDAP、および/またはPAMが、そのサービスを使用した認証をサポートする場合には必要です。
LZ4が、その方式でのデータの圧縮をサポートする場合には必要です。 default_toast_compressionとwal_compressionを参照してください。
Zstandardが、その方式でのデータの圧縮をサポートする場合には必要です。 wal_compressionを参照してください。 要求される最小のバージョンは1.4.0です。
PostgreSQLのドキュメントを構築するために必要なセットは別途記載します。 J.2を参照してください。
リリースされたソースパッケージではなくGitツリーからの構築の場合、またはサーバ開発を行いたい場合には、以下のパッケージも必要となります。
GNUパッケージの入手が必要な場合、近くのGNUミラーサイトから探してください(ミラーサイトの一覧はhttps://www.gnu.org/prep/ftpにあります)。 または、ftp://ftp.gnu.org/gnu/から探してください。