通常、最近のUnix互換プラットフォームならばPostgreSQLを動作させることができるはずです。
リリース時に明示的なテストを受けたプラットフォームの一覧を16.6. サポートされるプラットフォームに示します。
配布物のdoc
サブディレクトリには、プラットフォーム固有のFAQ文書がいくつかありますので、問題が発生した場合は参照してください。
PostgreSQLを構築するには、以下のソフトウェアパッケージが必要です。
GNU makeのバージョン3.80以上が必要です。
他のmakeや古いGNU makeでは動作しません。
(GNU makeはときどきgmake
という名前でインストールされます。)
GNU makeの試験を行うためには以下を実行してください。
make --version
ISO/ANSI Cコンパイラ(最低限C89-準拠)が必要です。 GCC の最近のバージョンをお勧めしますが、PostgreSQLは異なるベンダの、様々なコンパイラを使用して構築できることで知られています。
配布物を展開するために、tarおよびgzipかbzip2のどちらかが必要です。
GNU Readlineライブラリは、デフォルトで使用されます。
これによりpsql(PostgreSQLコマンドラインSQLインタプリタ)は入力したコマンドの記憶、さらに、カーソルキーを使用した過去のコマンドの再実行や編集ができるようになります。
これは非常に役に立ちますので、強く推奨します。
使用したくない場合は、configure
に--without-readline
オプションを指定する必要があります。
その代わりとして、BSDライセンスのlibedit
ライブラリを使用することもできます。
このライブラリは元々NetBSDで開発されていました。
libedit
ライブラリはGNUのReadlineと互換性があり、libreadline
を認識できなかった場合やconfigure
のオプションに--with-libedit-preferred
が使用された場合に使用されます。
パッケージベースのLinuxディストリビューションを使用し、そのディストリビューションの中でreadline
とreadline-devel
パッケージが別個に存在していた場合、両方とも必要ですので注意してください。
zlib圧縮ライブラリはデフォルトで使用されます。
これを使用したくなければ、configure
に対し--without-zlib
を指定しなければなりません。
このオプションを使用すると、pg_dumpおよびpg_restore内の圧縮アーカイブサポートが無効になります。
以下のパッケージはオプションです。 これらはデフォルトの設定では必要ありませんが、下記のように特定の構築オプションを有効とする場合に必要となります。
サーバプログラム言語であるPL/Perlを構築するには、libperl
ライブラリとヘッダファイルを含む完全なPerlのインストレーションが必要です。
必要なバージョンはPerl 5.8.3以上です。
PL/Perlは共有ライブラリですので、ほとんどのプラットフォームにおいてlibperl
ライブラリも共有ライブラリでなければなりません。
これは最近のバージョンのPerlではデフォルトのようですが、以前のバージョンではデフォルトではありませんでした。とにかく、これはPerlをサイトにインストールした人により決定されます。
PL/Perlを構築することを選択したのに共有のlibperl
が見つからなければ、configure
は失敗するでしょう。
その場合には、PL/Perlを構築できるようにするために手動でPerlを再構築してインストールしなければならないでしょう。
Perlの構成プロセスには共有ライブラリが必要です。
もし、PL/Perlを意図的に使用するつもりであるのなら、Perlのインストレーションがusemultiplicity
オプションを有効にして実施されているかを確認すべきです(perl -V
により有効かどうかを確認できます)。
PL/Pythonサーバプログラム言語を構築するには、ヘッダファイルとdistutilsモジュールを含むPythonのインストレーションが必要です。
Pythonバージョン2.3が最低でも必要です。
(numeric
型の関数引数を扱うためには、2.3.xのインストレーションが別途入手できるcdecimal
モジュールを含んでいないといけません。それがなければPL/Pythonリグレッションテストに通らないことに注意してください。)
バージョン3.1以降であればPython 3もサポートされます。しかしPython 3を使用する場合は44.1. Python 2対Python 3を参照してください。
PL/Pythonは共有ライブラリになりますので、ほとんどのプラットフォームでは、libpython
もまた共有ライブラリである必要があります。
ソースから構築したPythonのインストレーションでは、これはデフォルトではありませんが、共有ライブラリは多くのオペレーティングシステムのディストリビューションで入手可能です。
PL/Pythonを構築することを選択したのに共有のlibpython
が見つからなければ、configure
は失敗するでしょう。
それは、この共有ライブラリを提供するために追加のパッケージをインストールするか、Pythonのインストレーション(の一部)を再構築しなればならないということを意味しているかもしれません。
ソースから構築する場合、--enable-shared
フラグを付けてPythonのconfigureを実行してください。
PL/Tcl手続き言語の構築には、もちろんTclのインストレーションが必要です。 要求される最小のバージョンはTcl 8.4です。
各国語サポート(NLS)、つまり、英語以外の言語によるプログラムメッセージの表示機能を有効にするには、Gettext APIの実装が必要です。 オペレーティングシステムの中には(例えば、Linux、NetBSD、Solarisなど)、組み込み済みのものがあります。 他のシステムでは、追加パッケージをhttp://www.gnu.org/software/gettext/からダウンロードすることができます。 GNU Cライブラリのgettextの実装を使用する場合、さらにいくつかのユーティリティプログラムのためにGNU Gettextパッケージが必要となります。 他の実装の場合には必要ありません。
Kerberos、OpenSSL、OpenLDAP、PAMが、そのサービスを使用した認証や暗号化をサポートする場合には必要となります。
PostgreSQLの文書を構築するためには必要なセットは別途記載します。 J.2. ツールセット.を参照してください。
リリースされたソースパッケージではなくGitツリーからの構築の場合、またはサーバ開発を行いたい場合には、以下のパッケージも必要となります。
GNUのFlexおよびBisonは、Gitチェックアウトから構築する場合や、実際のスキャナとパーサの定義ファイルを変更した場合に必要となります。 それらが必要な場合は、Flex 2.5.31以降とBison 1.875以降を使うようにしてください。 他のlexとyaccプログラムは使用できません。
Gitからチェックアウトしたものから構築する場合や、構築時にPerlスクリプトを使用して作成されるファイルの入力となるファイルを変更する場合にはPerl5.8.3以降が必要です。 Windows上で構築する場合、いずれにしてもPerlは必要です。 Perlはテストスイートのいくつかを実行するのにも必要です。
GNUパッケージの入手が必要な場合、近くのGNUミラーサイトから探してください(ミラーサイトの一覧はhttp://www.gnu.org/order/ftp.htmlにあります)。 または、ftp://ftp.gnu.org/gnu/から探してください。
また、十分なディスク領域があることも確認してください。
コンパイル中、ソースツリーのために100メガバイト、インストールディレクトリに20メガバイトほど必要となります。
空のデータベースクラスタだけでも約35メガバイト必要です。データベースは、同じデータのフラットテキストファイルと比べて5倍ほどの領域が必要になります。
リグレッションテストを実行する場合は、一時的に最大で150メガバイトの領域がさらに必要になります。
ディスクの空き容量を確認するためにはdf
コマンドを使います。