本章では、PostgreSQLの埋め込みSQLパッケージについて説明します。
このパッケージはCとC++言語で作成されました。
作者はLinus Tolke(<linus@epact.se>
)とMichael Meskes(<meskes@postgresql.org>
)です。
元々これはCで動作するように作成されました。
C++でも動作しますが、C++の構文全てはまだ認識できません。
本書は完全なものではありません。 しかし、このインタフェースは標準化されており、SQLに関するその他の資料でも情報を入手することもできます。
埋め込みSQLプログラムは通常のプログラミング言語(ここではC)で記述されたコードで、特別にマークされたセクション内のSQLコマンドとともに使用されます。 このプログラムを構築するには、まずソースコードを埋め込みSQLプリプロセッサに渡します。 ソースコードは、プリプロセッサによって通常のCプログラムに変換され、その後Cコンパイラによって処理されます。
CコードからSQLコマンドを扱う場合は、埋め込みSQLの方が他の手法よりも有効です。 まず、埋め込みSQLはCプログラムの変数との面倒な情報移動を処理してくれます。 さらに、プログラム内のSQLコードは構築時に正確な構文になっているかどうか検査されます。 また、C言語での埋め込みSQLは標準SQLで既に定義されており、他の様々なSQLデータベースシステムでサポートされています。 PostgreSQLの実装は可能な限りこの標準に準拠するよう設計されています。 また通常の場合、他のSQLデータベース用に作成された埋め込みSQLプログラムを比較的簡単にPostgreSQLへ移植することができます。
先に述べた通り、埋め込みSQLインタフェース用のプログラムは、通常のCプログラムに、データベース関連処理を行うための特別なコードを加えたものです。 特別のコードは、常に、次のような形式になっています。
EXEC SQL ...;
この文は、構文上でC言語の文の置き換えとなります。 文によっては、グローバルレベル、または関数内に現れることもあります。 埋め込みSQL文における大文字小文字の区別の有無は、Cコードではなく、通常のSQLコードの規則に従います。
以下の節で、全ての埋め込みSQL文について説明します。